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43 Yuta ページ43

Yuta




玉森「そろそろ入ろ」




A「うん、やっぱり寒いね」





玉森「温かい飲み物買ってくるね」





A「うん」





時々思う事がある。

Aを一人にするのが不安になる事が。

今は、すごくそう思ってて。

何度も車の方を振り返って、助手席を確認していた。




この海でワンワン泣いていた姿も、忘れないよ。





車に戻るとお弁当が広げられてて、俺にお手拭きを渡してくれた。

俺の好きなチャーハンのおにぎりと、唐揚げとだし巻き卵は定番で。

最初の頃より、全然美味しくなったよね。





玉森「美味しい」





A「へへっ、ありがと」






カーステレオは、地元のFM局を流すのはAの趣味。

時々それを聞いてケラケラ笑ってるのを見ると、車の中で一人待たせてた時の習慣なんだと思って。

いつもいつも待っててくれたのに、自分はAと一緒にハワイに行く事を待てなかったんだな。

最低だな、ホントに。





A「ん?味、落ちた?

  美味しくなかったかな…」





首をかしげて、俺を覗き込んでて。





玉森「ううん、今までで一番美味しい」




A「何それ、嘘っぽい」




またケラケラ笑っている。

俺が買ってきたあったかいお茶を、両手で持って飲んでる姿も可愛くて。

つい、ジーッと見てしまった。




A「ん?」





玉森「あっ、ご馳走様でした」





A「ご粗末様でした。

  この後、どうする?

  ディズニーって、アフター6で入るんでしょ?

  ここからだと、二時間くらいで着く?

  まだ11時だけど…‥」





ここで、こんな事言ったら嫌われるかもしれない事を、言おうかやめようか迷った。

でも、もう会えないんだと思ったら、一か八かで言っちゃおうか。





玉森「二つ考えてて」





A「うん、何?」





玉森「一つは、もうディズニーに行っちゃう。

  今からでも1デイで入っちゃうのね」




A「うん、うん」





玉森「で、二つ目はね‥‥

  あのー、はぁ……」





A「ん?何、何?」






玉森「ラブホに行きたい!」




…‥‥言っちゃった。

それも、俺にしてはまあまあのボリュームで。

Aは、当たり前だけど目を真ん丸にしてビックリしてて。





A「え……裕太くんは、どっちがいいの?」





玉森「二つ目……」






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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月12日 17時

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