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玉森「俺、何の役にも立ってない。

  え、いつ知ったの?」






A「ん?さっき。

  裕太くん来てくれて、お母さんに夕飯いらないメールするためにトイレに行った時。

  今日は、クリスマスだからなんでしょ?

  寂しいもの同士、ご飯でも食べようって」






玉森「ほんと、さっきじゃん。

  寂しいもの同士っていうか、俺はまだ寂しいけど、Aはどうなの」






A「まだ寂しいよ。

  でもね、色々自分の中で決めたこともあるし、頑張らないとなって」






玉森「そうなんだ。

  そういうとこ、やっぱり偉いよね。

  そうだ、クリスマス……

  偶然見つけたのが可愛かったから、プレゼントしたいと思って。

  で、バイトしてたら誘おうって決めてきた」







A「暇でバイトしてた」






玉森「まあ、俺にとってはラッキーだった。

  で、こんな時に渡すようなものじゃないんだよね」






A「え、何それ。

  ちょっと大きいけど、私がもらっていいものなの?」







玉森「うん、開けてみて」





彼氏でもない人からプレゼントをもらうのは抵抗があったけど。

彼氏じゃないけど、元カレだからいいかな、なんて思って。

遠慮しつつも、その包装をはがしていった。






A「え、何これ!可愛い!

  カエルの、パペット?」







玉森「そう、パペット」






それを聞いて、すぐに背中の穴に手を突っ込んだ。

手と足が、細くて長いカエル。






A「これいい!結構大きいし。

  えっと、全長60cmもあるんだね。

  仕事でも使えそう。

  名前は、カエルの玉ちゃん!

  どお?」






玉森「やっと笑顔出た。

  よかった」






カエルの話題をしてたと思ったのに、急に私の事。






A「ごめん、裕太くんといて、つまらないとかじゃないんだよ」





玉森「複雑な気持ちなんでしょ?

  北海道の事……」





A「んーー、なんだろうね、この気持ち。

  あぁ、でも、この玉ちゃんのお陰で、クリスマスだなって思えた。

  嬉しい」





顔の横で、玉ちゃんの口をパクパクさせて見せた。






玉森「もらってくれなかったら、どうしようって思ってた」






A「そうだよね、なんかいいのかな」








 

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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月12日 17時

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