5 引越して二週間 ページ5
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翌日には、電気屋さんと家具屋さんの荷物が次々と届いて。
仕事が終わったお父さんも、ずっと前に買っておいた調理器具やタオルなどを持ってきてくれた。
1DKの狭い部屋だけど、自分の好きな物だけを並べた部屋に、大満足。
お父さんとスーパーに買い物に行き、今晩の食材から、基本の調味料までいっぱい買ってもらって。
私が豚の生姜焼きを作って、お父さんと向かい合って、ここでの初めての料理を食べた。
A「どお？」
父「うん、美味しい」
A「じゃあ、自分から美味しいって言ってよ」
父「そうだな……」
A「あ、お父さん、感動して泣いてる？」
父「え、そんな事……」
からかったのに、ホントに涙ぐんでた。
A「ちょっと、やめてよ」
父「うん、Aの料理を食べられる日が来たんだな」
A「大袈裟。
裕太くんには、いっぱい手料理作ってたよ」
父「そっか……ふっ」
ちょっと笑った後、なんだか会話が続かなくなった。
元カレの話に、可哀相がられてたのかもしれない。
私は、元カレとの食事を、今更思い出していた。
父「明日は仕事忙しいから、来れないぞ」
A「あ、ありがと。
もうね、一人で大丈夫だから。
私も、保育園のお手伝いとか入ってるし、夕飯どうなるか分からないから。
そうだ、お母さんに電話してみようよ」
父「そうだな」
昨日も、お父さんのマンションから電話して、三人で話したけど。
またしばらく三人で話せなくなるから、今日は何をしてたかの報告をしつつ、電話をしてみた。
お母さんが、私を思う気持ちを大切にしながら。
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週末は、お父さんと夕飯は食べたけど、それぞれの時間を過ごしていた。
何日か、保育園にお手伝いに行ったり。
電子ピアノを買ったので、高校の時に、違う目的で買ってもらったヘッドフォンをして練習をしたり。
近所の散策をしたり、洋服を買ったり、映画を観たりして二週間を過ごした。
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そして、明日から、本格的に、研修が始まる。
二週間の研修後、引き続き働くことになるんだから、言ってしまえば明日から社会人のようなもの。
一週間後に入社式も行われる。
四月前に始まるのは、裕太くんだってインターンがちょいちょいあるって言ってたから、同じなんだよね。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2019年5月27日 23時
