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21 研修初日 ページ21





永遠に続きそうな会話も、明日は本当に大切な日なので強制的に終わらせた。

「おやすみ」っていうスタンプと共に。









ベッドに入り、隣りで寝ているカエルのたまちゃんを見た。




“どうしよう”




って心の中で問いかけた。

もちろん何も言わないけど。




明日、研修初日の3/17は裕太くんの22歳の誕生日。

昨日までは、おめでとうと、こっちでの仕事がスタートする事を伝えようかなって思ってた。

ちょっと不安だったし、お父さんとお母さんじゃなくて、誰かに聞いてもらいたかったから。

裕太くんはね、いつも静かに聞いてくれるし、心が落ち着くから。





でもね、やっぱダメだ。

終わった恋を、掘り起こすわけにいかない。




そんな事を考えながら、眠りについていた。











何度と通った勤務先も、もう学生じゃないと思うと気持ちが違う。

正確には、まだうちの大学は卒業式が行われてないけど、少しだけ早く社会人になった事は、やっぱり大変だよなとも思う。

職業柄、四月から研修してたんじゃ遅いとはいえ、二週間の研修で、何が覚えられるのか不安で仕方ない。





園長先生の机の前に立たされたのは、私ともう一人の女の子の二人だけ。

短大出身だと自己紹介で言ってたので、二つ下と分かった。

そして、千葉県出身、東京の大学卒業見込み、札幌在住の私を、不思議な顔で見ていた。

同期がいるとは思ってなかったから、少し心強く思えた。





私は、四月から三歳児クラス、年少さんをみる事になるらしい。

もう一人の子は、二歳児クラス。





で、その子たちが今いる、二歳児クラスで研修をする事になった。

担任の先生三名に、補助の先生が数名。

指導係の担任の先生に、一から教わる事になる。

なんなら、一年間やってきた園児たちの方が詳しい。




落ち込んだり、凹んだりする事もあるけど。

私の事を先生って呼んでくれて、膝の上に乗ってくれるだけで、嬉しかった。

もちろん、新しい顔に警戒する子もいるから、徐々に距離を縮めたいって目標も出来たし。





研修中は、八時半から五時半とOLみたいな勤務時間で。

早番も、遅番もなく、更衣室で同期の子と少し話せたし、連絡先の交換も出来た。

疲れたけど、当たり前だって自分に言い聞かせ、自宅マンションに戻った。





部屋に入り、スマホの音をONにしたら、すぐにLINEの着信音が鳴った。





あ、有岡だ。





有岡『Aの分の夕飯も作ってみた』


22→←20 握手



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作者名:やまぱん | 作成日時:2019年5月27日 23時

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