32 Daiki ページ32
Daiki
有岡「あ、ペンギンとかもしまったんだ」
目をトロンとさせたまま、こっちを見た。
A「さっきしまった。
今日は、大貴がいるからいらないしね」
有岡「じゃあ、もう一生いらねえじゃん」
そう言いながら、ベッドに入ったら、俺にキューッてくっついてきた。
A「そうだね・・」
俺の腕の中で、穏やかな笑顔のまま体をこっちに向けた。
唇を突き出す感じで、ふざけたようにキスをする。
そうすると、決まって「ふふっ」て笑って視線をそらす。
次に、俺が少しだけ潜ってから、体をAの方に向け、左足でAの足を押さえ込み、そこからは深いキスをする。
その先に進めないから、前よりも時間をかけてするんだけど、時々漏れる声に、自分を抑えるのに必死だった。
チュッチュッて俺が二回キスをしたら、一回離れる合図。
Aがふざけて、俺のパジャマの胸辺りで、濡れた唇を拭きだした。
A「さて、寝よ」
有岡「俺も拭きたい」
A「ダメ！」
胸元を両腕で隠して、上を向いてしまった。
有岡「なんだよ、ケチ！」
A「変な事しそうだから、ダメ！」
まあ、止められる自身もないからな。
有岡「おやすみ！」
ちょっと怒った風に言ったら、また体を俺の方に向け、見上げる感じで口をへの字にしている。
A「ごめんね・・・」
有岡「え・・あぁ、謝らないの。
そうだ、今日、相葉課長に二宮課長の事、お願いしといたよ」
A「あっ！ありがと。
なんだって？
怖いとか言ってた？」
有岡「そんな事なさそうだよ。
同期なんだって。
だから、大丈夫」
ニコッて笑ったら、はにかんでた。
まだ、不安なんだと思う。
だからってのもあって、『女の部下が初めて』のくだりは言えなかった。
だいたい、どこの部署でも、女性の営業職は少ないから。
それは分かってるかなって思って、言わなくてもいいと思った。
・
短い髪の毛を、なでてあげた。
また俺に寄り添って、目をつぶりそうになっている。
有岡「今日は、一回も気持ち悪い顔しなかったな」
A「あ、うん・・・ずっと気持ち悪いから、慣れてきたというか、逃し方が分かってきた」
有岡「やっぱ、そうなのか」
A「寝ちゃえば気持ち悪くないし」
有岡「じゃあ、寝よ。
おやすみ」
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年1月21日 21時
