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Daiki
A「もう、冷蔵庫も電源切っちゃったから、お水しかないけど、こっちにあるよ」
声のするリビングに移動すると、こっちもキレイに片されて、段ボールに何か書いていたペンを置き、おもむろに窓を開けた。
ベランダから何か持ち込んだと思ったら、ミネラルウォーターのペットボトルだった。
有岡「え？マジか」
A「へへ・・・一番涼しいとこだから。
はいっ！」
Aってそういうとこある。
不思議というか、天然というか、突拍子もないというか、なんというか。
そういうとこが、面白いし可愛い。
「はいっ！」と差し出した笑顔を見て思った。
落ち着いている。
余裕がある。
去年の引越前日は、あんな事になるとは思ってなかったから、そんなに深くは観察してなかったけど。
それでも、寂しそうで、無理にキチンとしないと感が出てて、とっても苦しそうだった。
有岡「冷てっ！」
A「良かった！」
有岡「あ、お土産があんだ」
目を真ん丸にして、キョトンと俺の事を目で追っている。
玄関のカバンから、東京駅で買ってきたものを渡した。
A「え？何、可愛い！
小さな紙袋に、えっと・・・アメ？
アメだよね？」
有岡「そう、可愛かったし、アメ、その後も食べてんのかなって思って」
A「うん、食べてる。
塩キャラメルとソーダ味？
いいかも。」
その喜んでる顔が見たくて、やっぱり買ってきて良かった。
A「今は、そんなに気持ち悪くないし、夜遅いから、やめとく。
ドライヤー、する？」
有岡「自分でやるよ。
横になってていいよ」
A「あ、うん」
ピーピーピー
やっぱり洗濯したのか。
室内の洗濯物干しに、さっきまで着てたものを干しだした。
そんな姿を見ていると、主婦の仕事と会社の仕事をしながら、出産もひかえるって、大変だよなって思って。
有岡「俺が、やっとくよ」
A「すぐ終わるから。
大貴、遠くまで来てくれて大変だったんだから、大丈夫だよ」
やっぱり断られたけど。
あっという間に、干し終わってた。
A「先に、横になってるね」
会社の仕事だけじゃなく、家事もかなわないとか・・・頑張らねえとな。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2018年1月21日 21時
