33 Daiki ページ33
Daiki
子供って、予想もしないような事を口走ったりするけど、運動会で、パパがいっぱいいるから、自分もそう呼んでみたのかな・・・
何か、胸が痛い・・・
・
Aも、ダイキに靴を履かせる顔が、少し曇っている。
親の勝手でこんな事になってしまって。
雄也さんも間違われたとか言ってたから、きっとその時は、雄也さんが「ちげーわ！」って全否定したと思うけど、今回は否定するのも何か違う気がして・・・
大貴「ダイキ、ブランコ好きなの？」
ダイキ「うん、ちゅきー！」
大貴「よし、行こっ！」
A「ママも、片付けたら行くね！」
大貴「おぉ・・・」
Aと目が合った。
気を付けててって感じの、メッセージを含んだ視線だった。
なんか・・・辛いな・・・
・
何にもなかったように、ダイキもしてるし、俺もいつもみたいな笑顔を作る事にした。
・
・
ダイキと外で遊ぶのは初めてだった。
まあ、いつも、仕事終わりで家に行って、翌朝帰っちゃうんだからな。
いっぱい遊んで、いっぱい走って、やっぱり体力が必要だなって改めて思ったよ。
車に乗ると、すぐにダイキは寝てしまった。
隣のAもウトウトしている。
週末、A一人でダイキを見るのは、きっと大変だろうなって感じた。
家事、仕事、育児・・・いくら実家が近くてもなー。
あっという間に家に着いた。
Aは、パチッと目を開け、ダイキの様子を見た。
A「ねえ、ダイキ、連れてきてもらっていい？」
大貴「うん、荷物も後で運ぶから、ダイキの布団、用意してきて」
A「あ、うん。ありがと・・・」
はにかんだ顔が、可愛かった。
今、俺が言った事が、なんか嬉しかったわけ？
別に、俺らの子なんだし「ありがと」とか言わなくていいのに・・・
・
少し時間をおいてから、ダイキを抱え、家に入った。
寝室には、大人用の布団が二枚敷かれていた。
小さい声で
大貴「どっちに寝かすの？」
A「こっちの壁側」
壁びっちりにくっついた方の布団に寝かし、車に荷物を取りに行った。
戻ってくると、
A「大ちゃんも、少し横にならない？
私も、このお弁当箱あらったら、お昼寝しようかと思って。
朝早かったし、ちょっと疲れたから」
大貴「おぉ、そうする」
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年11月5日 12時
