32 Daiki ページ32
Daiki
ダイキは、先生が作ったメダルを首にかけてもらって、Aと戻ってきた。
全員同じメダルを貰えるんだけど、それでも一等賞だったのは嬉しかったみたい。
A「ダイキ、大ちゃんと一緒に頑張ったね!」
ダイキ「うん!これ、もらった!」
A「うん!よかったね。
去年は、雄也がズッコケてね」
母「あの子、前の日、飲み過ぎたみたいでね」
ダイキ「ゆうや、だめ!」
大貴「忙しいのに、来てくれたんだから、そんな事言っちゃダメだぞ!」
ダイキ「ゆうやは?ねえ、ゆうやは?」
ダイキの中では、雄也さんの存在は大きい。
ずっと一緒にいたからだろうな。
A「お仕事だよ、今日は」
母「今日は、大貴さんがいるから、大丈夫でしょ?」
ダイキ「だいちゃん、いるね」
A「ちょっと早いけど、お昼にしちゃおっか」
乳児のクラスは、出番が終わって、メダルを貰ったら帰っていいらしい。
その後も預かりのある子は、応援席に戻るみたいだけど。
・
運動会の輪から少し離れた所にシートを移動させ、Aが朝早くから作ってくれたお弁当を広げた。
いっぱい並んだおにぎりの隅に、小さなおにぎりがコロコロと詰められている。
ダイキの分だね。
A「大ちゃんのは、ここから、こっち側ね」
大貴「え?」
A「梅干し・・・嫌いだったよね」
大貴「うん・・・」
覚えてくれてたんだ・・・やっぱ嬉しい。
ダイキにエプロンをつけてあげて、いただきますをした。
外で、こんな風にお弁当を食べるのなんて、何年振りだろ。
最低でも、仕事を始めてからはないから五年だな。
秋になり始めた空は、高く感じる。
青く澄み渡った空の下、みんな目を細めて、ダイキを見ていた。
家族に見守られて、大きくなったんだね。
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お弁当を食べ終わり、ダイキが「遊ぼ 遊ぼ」って腕を引っ張るから、靴を履き立ち上がろうとしたら、ダイキがビックリする事を言いだした。
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ダイキ「パパ、こっち!」
・
大貴「え・・・」
全員がダイキを見た。
今、何て言った?
慌ててAが「ダイキ、あっちにブランコあるから行ってきな」と話を誤魔化したけど、確実に俺の事「パパ」って呼んだよな。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時