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Daiki
まず最初は、お遊戯だった。
これは、俺も知ってるやつ。
「アンパンマンのさんさん体操」
お風呂で一緒に練習した。
他の年齢の子どもたちも一緒に踊ってて、ダイキもとっても楽しそうで、ニコニコしながら俺達の方を見ていた。
Aがビデオを撮っていて、ホントは俺の仕事じゃねえのかって思ったけど、今年は仕方ねえのかな。
・
その後、いよいよ親子の障害物競走。
Aに、出てって言われて、一緒に練習してたやつ。
去年は、雄也さんが出たらしい。
それには、負けるわけにいかない!
「お魚を釣ろう」という競技は、段ボールで作った船に、電車ごっこみたいに親子で入って進み、磁石のついた釣り竿で、お魚を子どもが釣る。
それを落とさないように持ったまま、また船に乗ってゴールする。
うちで、段ボールの代わりに、ひもで船を作り、走る練習をしてきた。
まあ、2歳なんで、実際は走ってないけどね。
前に小さい子がいると、かなり歩きづらいから、練習して良かった。
Aが作ってくれたクリップのついたお魚を、ラップの芯に、ヒモをたらして磁石をつけた釣り竿で、釣り上げる練習もしてきた。
ママに一等賞をあげようって、ダイキと二人で決めてるんだ。
で、Aに『2歳児に一等賞とかないから』とか言われたけど、関係ないんだよな!
ただ、そんな風にしたら、親子っぽいかなって思ってね。
いや、親子なんだけど、ダイキにパパって思って欲しいからさ。
大貴「よし、ダイキ、頑張るぞ!」
ダイキ「うん、いっとうしょう!」
よーい ドンッ!
Aとお母さんの声が、「だいきー!だいきー!」って聞こえる。
そう言えば、朝も、「だいき!」って起こされたけど、それで二人分呼んでるんだよな。
手抜きだろ!
まぁ、いっか・・・
ってか、ビデオにあの声、入っちゃってるよな・・・
大貴「ほらっ、頑張れ、ゆっくりでいいから!」
慎重に釣り竿を下げ、クリップの所を狙ってる。
ダイキ「とれたー!」
大貴「よしっ!船に戻れ!」
ダイキ「うん!」
大切そうに、段ボールで出来た魚をかかえ、段ボールの船に乗り込み、ゴールテープを目指した。
大貴「やったー!一等賞だ!」
ダイキ「やったー!」
二人でハイタッチをした。
小さな手が、俺の手のひらにペンペンと当たる。
こんな事も、幸せだった。
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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年11月5日 12時