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Daiki





大貴「あ、あの・・・Aちゃんの実家ってどこですか?」




女将「大ちゃん、知らないの?」




大貴「はい・・・」




女将「弟みたいに仲良くしてたから、知ってるのかと思ってたわ」




弟って・・・




大貴「いや・・・」




女将「神奈川よ、あれ、神奈川のどこだったかなー。

  横浜とか中心部じゃなかったはず。

  田舎の方だって言ってたわ」





大貴「あの、引っ越し先とか聞いてないですよね」





女将「うん、聞いたんだけど、なんか誤魔化されて教えてもらえなかったの」





大貴「そっか・・・先週って、土曜日までですかね」





女将「いや、引越の準備があるから金曜日まででって事だった。

  なんせ、急だったから、次の人も見つけられずで、こっちも困ってるのよ」





大貴「あー、それはすみません・・・」





女将「あらやだ、なんで大ちゃんが謝るのよ」





大貴「いや・・・あの・・・

  あーー、そうそう、今日ってトモさん来てましたかね」





女将「あら、多分来てないわね。

  Aちゃんの事、トモくんに言うのが一番困ったなって思ってたから」





あ・・・

どうせ、Aの彼氏は、トモさんって事なんだろ!!






そうだ!


メモ用紙、メモ用紙・・・


あ―ないな。

書ける物・・・っと。

レシートしかねえな。




仕方なく、レシートの後ろにメモを書き、女将さんに渡した。





大貴「俺、勤務が色々で、いつここに来れるかわかんないから、トモさんが来たら、ここに電話して欲しいって伝えてもらえますか?」




女将「ん?電話番号?」




大貴「そう、俺の携帯の番号です」




女将「わかった。トモくんに電話をするように言えばいいのね」





大貴「はい!お願いします!」





頭を下げて帰ろうとした時に





女将「大ちゃん!お夕飯、まだよね。

  余り物でよかったら、持ってく?」





大貴「あ・・・えっと」





女将「サバの味噌煮、いる?」




まだまだ、Aの行方を探さないとって、気持ちばかりが焦ってたけど。

サバの味噌煮と聞いて、あの日、初めてAんちにお邪魔した日の事を思い出して、いただくことにした。




女将さんが持ってきた袋の中には、サバの味噌煮が四切れ、ポテトサラダが少し、ご飯まで入っていた。




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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年10月20日 20時

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