第三十九章 ページ9
それはそうと、と土方さんは口を開いて別の質問をしてきた
「お前は行かなくてよかったのか？行ってきても良かったんだぜ。今回はお前にも助けられたしな」
「んー....お祭りの気分じゃなくてさ。池田屋で、私は初めて真剣を持って人を斬った。総司を助けたい、その一心で何の躊躇いもなく人の命を奪った。思い出すの。人を斬った時の感触、重み、血の匂い、断末魔...。怖かった.....何の躊躇いもなく人を斬れてしまった事が...。でも、私は少しでも役に立てたという喜びの方が強くて強くて、余計に怖かった。自分が自分じゃないみたいでさ。今まで生きてきた時代では、こんなこと有り得なかったし、助けるのに夢中だったとしても、何で私はあんなにも躊躇わずに命を奪えたんだろう....人を斬って殺した事よりも、役に立てた喜びの方が勝ってた...ねぇ、土方さん。私は、おかしいかな？」
静かに口を開いて同行しなかった理由を話す
土方さんに対して、今日初めて弱い所を見せてしまっているが、今はどうしても聞いてほしかった
誰かに、この気持ちを、思いを、聞いてほしくて私は言葉を紡ぐ
「....おかしくねぇよ。お前は、何も間違っちゃいねぇ。けどな、人を斬ることの重みを忘れちゃならねぇ。斬るという感覚に慣れちゃならねぇ。刀を持てば、斬る覚悟も斬られる覚悟も持たなきゃならねぇんだ。お前はその覚悟があって、剣術を斎藤から教わったんだろ？」
「......うん。剣は凶器、剣術は殺人術。それをわかってて私は刀を取った。足手纏いになりたくなくて、少しでも役に立ちたくて、力をつけたくて、私は戦う事を選んだ」
「なら、何も迷う事はねぇ。お前は、お前の信じる道を歩けばいい」
「....ありがと、土方さん...」
私の話を真剣に聞いてくれて、真剣に話してくれる目の前の優しい人
なんだかんだ気にかけてくれている事が凄くわかる
土方さんの言葉がストンと自分の中に降りてくる
欲しい言葉をくれた彼に感謝を述べて、潤んだ瞳を見られないように強く瞑り、私は俯いた
第三十九章
￣￣￣￣￣
(自分一人で考えていたら爆発しそうだったから、つい土方さんに弱い所を見せてしまった)
(初めて自分から弱い所を見せてきたこいつは、今にも儚く散るのではないかと思っちまった)
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ぷー(プロフ) - 神崎舞様。気付かず申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。早急に直させていただきます。また何か気付いた点などがございましたら、仰って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年8月18日 11時) (
レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されないで夕奈のままになってる話が何話かあるのですが？ (2017年8月18日 9時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月17日 11時
