第四十五章 ページ19
「てめぇは骨がありそうだな!にしても、突っ込んでくるかぁ?普通」
「小手先で誤魔化すなんざ、戦士としても男としても二流だろ」
「ヒュゥ!俺は不知火 匡だ。お前の名乗り、聞いてやるよ」
「新選組十番組組長、原田 左之助」
左之さんが名乗ったと同時に、会津藩士の一人が匡に向かって銃を構えるのを見て、まずい!と思えば咄嗟にその人に飛び付き庇う
匡が放った弾は会津藩士に当たることなく、私の右肩を掠っただけで済んだ
「夕奈!!」
左之さんが目だけで匡が撃った人物を確認すれば、その撃たれたのが私だと分かり焦ったような表情を浮かべる左之さんに、大丈夫だと頷いて見せた
「ーーー!?お前、夕奈じゃねぇか!!何でこんな所にいやがる!」
「っ...匡」
「お前の事気に入ってたから傷付けたく無かったのによ...今のはお前が急にそいつを庇うのが悪りぃぜ」
私は痛みに耐えながら、傷を負った右肩を抑えて相手を見る
すると相手は、眉間にシワを寄せ何とも言い難い顔をしていたが、それはほんの一瞬で
「そろそろ頃合いだぁ!今日の所はここまでにしてやる。新選組の原田 左之助、俺様の顔しっかり覚えておくんだな!それと夕奈!今度会った時、ちゃんと説明してもらうぜ!」
どっかで聞いたことのある台詞を耳にすれば、まためんどくさい事になりそうだと思い
つか、会津藩士一人助けちゃったよ
あれ?これ歴史に逆らっちゃった?
いやでもこのくらいだったら、影響ないのか?
そんな事を考えていると、匡は近くにあった刀を取り建物に刺して反動を利用し、高く舞い上がれば「次は殺す」と笑みを浮かべながら左之さんに向けて言い放ち、軽々と屋根の向こう側へと飛び越え姿を消した
「忘れるかよ、不知火 匡。俺の槍を避けられた奴は初めてだぜ。それに、夕奈に傷付けやがった奴だからな」
そして左之さんもまた、口元に笑みを浮かべながら言葉を口にしたが、最後らへんは怖い顔をしていた
第四十五章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(死ぬかもしれないのに、自ら進んで助けたなんて、自分でも驚きだわ...)
(不知火 匡、絶対忘れねぇ。それに俺は、惚れた女を守る事が出来なかった...こなくそっ!)
(原田 左之助。おもしれぇ奴見つけたぜ。にしても何で夕奈がいたのかわからねぇが、一応風間には話しとくか)
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ぷー(プロフ) - 神崎舞様。気付かず申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。早急に直させていただきます。また何か気付いた点などがございましたら、仰って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年8月18日 11時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されないで夕奈のままになってる話が何話かあるのですが? (2017年8月18日 9時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月17日 11時