今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:301,514 hit
小｜中｜大
序章 ページ1
ーーー2017年6月
梅雨の時期に入りしとしと、と雨が降っている中、水色の傘をさし買い物袋を持った親子が歩道を歩いている
二十代前半と見られる若い女の胸の前には、まだ小さい赤ん坊が抱っこ紐を使い抱かれている
抱っこ紐と女の胸の間でスヤスヤと眠るその愛らしい我が子の顔を見て、母親である女はとても優しい笑みを浮かべ、頭をそっと撫でながら語りかけた
「ーーーよく寝てんなぁ。今日は雨だけど、明日は天気いいらしいよ。どうせなら、今日が晴れだったらよかったのにね。帰ったらいっぱいおしゃべりしようね、私の大好きな可愛い子」
語りかけるその声色は、まるで全てを包み込んでくれるかのような優しさを含んでおり
撫でていた手を離し、前を向いて帰路へと急ごうと足を進め信号へと差し掛かったが、赤になってしまった為歩みを止めて青になるのを待ち
待っている間も優しい眼差しで我が子を見ていれば、信号が青に変わったことに気づき横断歩道を渡ろうと一歩踏み出した瞬間ーーー
キキィィィィーーーー！！！！！！
赤信号を無視した車が猛スピードで親子に突っ込んでいきーーー
ドンッーー！！！！！
水色の傘が空高く舞い、ぶつかる大きな音が辺りに響き渡った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月11日 20時
