第四章 ページ10
空が完全に明るくなった頃、スッと障子が開き中に入って来たのはーーー
「おはよう。昨日はよく眠れた?」
口角を上げながら嫌味ったらしく言ってくる沖田総司
源さんじゃないのかよ
「色々考えてたので寝てませんよ。手首も痛いし」
「ふぅん?考えても無駄なのに?」
(嫌味を言ったつもりなのに、スルーですか)
「状況把握は必要かと」
極度の人見知りの私が普通に話せているのは、こっちが一方的に色々とこの人達を知っているからだと思う
それにしても、総司(みんな頭の中では呼び捨て決定)の態度は画面越しではニヤニヤできたのに、実際に目の前にして言われると、少し腹が立って食って掛かってしまうのは何故だろうか
「まぁいいけど。君に詳しく聞きたいことがあるから来なよ」
総司の口調は私が知っているそのままだが、視線や行動は隙がなく、いつでも私を殺すことができる、と言っているかのよう
部屋を出て廊下を歩いていれば庭が目に入り、これぞまさにわびさび、なんて呑気なことを考えていると広間についたのだろう、総司が立ち止まり障子を開けば其処には豪華なメンツ
.....ぎゃー!!!本物!!みんなイケメン!!!千鶴もいる!!やばい!!あ、殺気もやばい!!
はい、脳内パニック
本当は騒ぎたいよ。テンションマックスだもん
目の前に大好きな薄桜鬼メンバーがいるんだよ?
興奮するなって方が無理だよね。其処の貴方ならわかるはず!この興奮が!!!
だってまさにイケメンパラダイス!!!!
だがしかし、向けられる殺気がやばすぎて無表情になるしか選択肢がありません
「そんな所に突っ立ってないで早く座りなよ」
総司が入り口に突っ立ったままの私に座るよう空いている場所に視線をやり
縛られている手で障子を閉めてその場所に正座した
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月11日 20時