第五章 ページ15
「さっきの続きだけど、私がこの時代、この世界に来た経緯はちょっと複雑なんだけど、私は私のいた未来で死んだ。簡単にざっくり説明すれば、死んだ後、まだ死ぬはずじゃなかった私は現世とあの世の狭間の空間に行って、そこで青年に出会って違う世で生き返らせてやるって言われて、気付いたら路地裏にいて足音が聞こえたから様子見ようとしたら襲われて逃げて、あなたたちに出会ったと。そんな感じです」
かなりざっくりした説明をした後、「質問は？」とみんなを見ながら言う
するの勢いよく手を上げで主張して来たのは平助だった
「あのさ、未来から来たって言ってただろ？仮にそうだとして、お前が未来から来たってことをどうやって証明すんだよ？」
「証明するものはないです。今の私の格好が一番の証明って言っても良いんですけど、でも未来の服を知らないあなた達からしたら証明したうちには入らないでしょうし」
平助の質問を答えてすぐに質問がくる
みんなの質問を次々に答えていけば、土方さんから鋭い質問が飛んできた
「未来から来たって言ったな。【どこまで】知ってやがる？」
(さすが土方さん。鋭すぎる)
「...【全て】知っています」
私は真っ直ぐ見つめながら正直に答えた
土方さんの質問は新選組の事、自分達の事、これからの事、変若水の事、羅刹の事、全部を含めている
嘘ついても鋭い土方さんの事だ、直ぐに気付いてしまうし
私の答えで全てを理解したのであろう土方さんは眉間にシワを寄せ、険しい顔をして溜息を漏らす
土方さんの質問の意味と私の答えの意味がわからないのか、みんなは不思議そうな顔をしている
不覚にも可愛いと思ってしまった私は場違いだろう
「最後に一つ、てめぇに聞きてぇことがある。何故、そんな未来から来たなんて信じられねぇような話をした」
土方さんは私を鋭く見ている
多分、質問の答えがどれほど本気なのかを見定める為だろう
私は答えるべく、そのまま視線をそらさずに言った
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作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月11日 20時
