噂の鬼さん (ページ3)

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杏莉side

なんなのよ……あの女……

『仕事に戻れ……お前もだぞ……』

とだけ言って仕事に戻ると亡者は悲鳴をあげる

「おい、蘭様にあんな言葉使いするなよ！怒ると怖いんだぞ！！」

「今回は見逃してもらえたけど……次はないと思うぞ？気を付けろよ？」

杏莉「で、でもあの女正直ウザくないですか？」

「？全然。寧ろ目標だよな！！」

「そうそう！俺も蘭様みたいに強くなりてぇなぁ……あの人飴と鞭の使い方上手いし！！」

「ほんとそれ！！」

なによ……なによ！！あんな可愛げもない女のどこがいいわけ？！お面まで着けてるのに……！！

ジッとアイツを睨み付ける様に見つめる

『……(早く仕事してくれないかな……)』

ひたすらに亡者に苦しみを与え続ける蘭とかいう女

『痛いか……？やめてほしいか……？』

亡者「た、助け((『誰もお前を助けたりなんてしない……あり得ない……そんなこともわからないなんて……嗚呼……本当に哀れだな』

じわじわと追い詰めていく

『震えているな……怖いか……？それがお前の罪の重さだ……一生ここで苦しみ続けろ……』

亡者「あ"ぁぁぁあ！！」

え、怖……一周回って亡者が可哀想なんだけど……

『杏莉……仕事……やれ』

と、取り敢えず殴ればいいのよね？

杏莉「え、えい！！」

亡者「なんだ？コイツ……本当に鬼か？」

え、き、効いてない？！どうすればいいの？

亡者「コイツならワンチャンやれんじゃね？」

ドンッと押し倒される

杏莉「ひっや、やめ」

亡者「うるせぇよ！！」

『たしかに……うるさいな……』

「「「ｿﾞｸｯ)」」」

『私のかわいいかわいい部下に……なにをしようとした……？』

ゾワッと地を這う様な低い声……声からして怒っていると直ぐにわかった

「すいませんでしたぁぁぁぁぁあ！！！」

『……捕まえろ』

「「はい！！」」

ガタガタと震えて腰が抜けてしまった

『……はぁ』

お、怒られる……？

『怪我は……？』

と私の目線に合わせて屈んでくれる

杏莉「………た……」

『？』

杏莉「怖かった……！」

思わず涙が溢れてしまった

『お前……向いてない……ここじゃないところで働け……かわいいんだから……こんな物騒なところにいたらもったいない……』

杏莉「ｷｭｰﾝｯ♡)」

杏莉「わ、私頑張る！！頑張って鍛えて１人でもやっていけるように頑張る！！」

『……無理はするな』

杏莉「はい！」