第三十五夜。�� ページ33
「永く生きることに、とうの昔に疲れ果てて、あの方はいつか訪れるとも知れない“終わりの日”を、ただ無為に待っていた…
…そっとそう告白されていたと言ったら、信じてくれるか？
…執着を何にも持てない、純血種は哀れなものだね…？
―――俺は、黄梨さまのようにはなりたくないね…
かつての閑のようにも、悠様や樹里様のようにもなりたくない。
だから、ずっと後ろに李土様のいる元老院の前では、大人しくしていた。
そして、李土様のように力試しを楽しむような、
だって、俺は王様になるんだから」
『…枢がそれを許すとでも？』
「許さないだろうね、王様は枢だから。
自分の事を始祖だと、Aに打ち明けたのだろ？
……もしそれが真実で…
俺が枢なら………当分は、俺を放っておく…
許すわけでもなく、逆鱗にふれたなら即座に摘む… そんな所かな」
･･･
「父様、母様今帰りました」
『……更さん、お二人の気配が感じられません。
それに、血臭が……！もしかして！！』
バンッ
『！！』
「……二人とも、灰になって消えてる」
『なんで、なんで朔に続いて……っ』
「きっと、朔が亡くなってしまったのが、ショックだったんだ…」
『…更さん。わたしは、これからどうすれば……
朔も亡くなって、お二人も亡くなってしまった……… 私はどうすればっ』
「A……Aさえよければ、俺のそばにいて…
俺を一人にしないで……」
『更…さん……わたし…』
今の更さんは昔の枢みたいだと、私は思った。
優姫ちゃんが人間になり、両親を亡くした時の枢みたいだと……
『…更さん……』
だからだろうか…
『私、更さんのそばにいます。いさせてください…』
放っておけないのは……
「ありがとう……A
(婚約者であった、朔が消えて、黄梨さまも消えた俺の傍に居るってことは、Aは実質的に婚約者と言ってもいいね)」
この時の私は、これが更さんのシナリオ通りだと思わなかった。
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梨沙(プロフ) - ヴァンパイア騎士好きなので続きが楽しみです！更新待ってます！！ (2019年11月28日 3時) (
レス) id: c5b5bf1a65 (このIDを非表示/違反報告)
篝月(プロフ) - 続きがすごく気になります！ (2019年7月1日 23時) (レス) id: 7982b0814b (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く続きが気になります。応援してます！！ (2019年6月25日 7時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：696 | 作成日時：2019年6月20日 2時
