(文スト) うん、分かってた。｢太宰治

。19 。 ページ20

、
中也Side







久しぶりに会ったアイツは泣いていた



今も尚、顔を合わせてくれず下を向き続けている









あ「異能力がなかったら…っ

普通の女性として見てくれたかな、」




明らかに冷静ではなく、感情が高ぶってるA




中「A、落ち着け」




あ「元ポートマフィアじゃなかったらよかったの？」



中「A」



思わずAの顔を上に向けた時



中「っ……」






あ「たくさんの人を殺したから？」



涙流すAは初めて見た


振り絞っていう声は雨の音で聞きにくいが

はっきりと聞こえていた




そして





あ「何をやっても空回り…っ」




中「…」







、




あ「私じゃダメかなぁ、




＿＿＿＿＿太宰さんッ…」




そういったあと両手で顔を覆うA。




いつも冷静で、取り乱さないアイツが

こんなに取り乱してるのは初めて見た



誰がそんなまでさせたのか気になっていたが、


まさか太宰だったとはな。









中「何やったんだよ…太宰。」



ただただ、

泣き続けるAを抱きしめることしかできなかった






＿＿＿＿＿＿


＿＿＿




中「ったく、びしょ濡れじゃねえか」


車に乗り座席に座れば 居心地は最悪だ。



あ「ごめんね、中也…」



隣で申し訳なさそうにいうA。



そんなAに


中「謝んなって、俺が好きでやったんだからよ」


なんて言えば





あ「あとさ送ってもらうなんて…いいの？」


探偵社とポートマフィアの立場として
考えたんだろう。ダメに決まってる


…が





中「こんな雨の中返せれるかよ」



雨の中女を返すのは気分が悪い

ましてはAだ。






あ「…ありがとう」



中「ああ。」




やっと笑ったあいつはやっぱり
笑顔が似合うと思った








＿＿＿ASide＿＿＿





あ「中也は身長変わらないね」


中「次言ったら車から放り投げるぞ」


あ「ごめんごめん」




中也とこうやって話すのが懐かしくて心地よくて


時間なんて忘れてしまいそうだ





あ「……」




泣いてた理由について、深く聞かない中也。


あんなに取り乱したのは初めてだった


中也の前だったからこそ
気持ちを全部吐き出せたんだろう



気持ちが軽くなった。




あ「…」

中「…｣



無言の中でも、心地がよかったのは中也だったから





あ「…」




そんなことを思っていると重くなる瞼。







あ「ごめん…中也……」





体を中也に預けて眠りについた

。20 。→←。18 。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す