(文スト) うん、分かってた。｢太宰治

。16 。 ページ17

、







雨の中携帯を取り出して国木田くんにかけた





あ「…国木田くん」


国『どうしたA』




１コールで出る彼はいつも通りだった




あ「ごめん、今日…仕事いけない、」



振り絞った声。

自分でも本当に声は出ているか不安だった



そんな声に


国『？？なにかあったか？』


疑問を抱いたのか心配してくれる国木田くん。




あ「行こうとしてたけど…

今私ひどい顔してるから…こんな姿で会えない」



こんな…泣き顔でいけない…





あ「あと…ね、ごめん、


＿＿＿＿諦めるしかなくなっちゃったっ」





国『おいAなにがあっ＿＿((ﾌﾞﾁｯ』



これ以上異変に気づかれたくなくて
話してる途中で切ってしまった





あ「……」



ああ…

探偵社に帰ったら怒られちゃうんだろうな




あ「…」





目の前には荒れる海。

振り続ける雨に全身びしょ濡れだ

おまけに風も強いったら強い



けど 今は寒いとも、何も思わないのだ





雨の日は…色々なことを思い出すから嫌だなあ



天気すら、私の気持ちと比例してるんだもん、


この時ぐらい、ほんとさ…


晴れててほしいよ








あ「……」




＿＿＿＿

太「Aは妹のような存在だ！」

＿＿



妹…か



あ「…」




正直…




与謝野先生と太宰さんの話を
聞いてよかったと思ってる自分がいる




諦めがついたのだ。いい機会だったと思ってる。









叶わない恋なんて自分で分かっていたのに

それでも叶うと信じ続けてきた







どこかで…諦めなきゃいけないなんて








＿＿＿＿＿＿＿うん、わかってた









せっかく国木田くんが珍しく助言してくれたのに








国木田くんに言われて、
それでもがんばろうって思ってたが…




想い人、本人に言われたら…









あ「諦める他ないじゃん……」








もっと、私が大人だったら考えてくれてた？


異能力も持たずに、
元ポートマフィアでもなかったら



あなたは汐莉さんのように見てくれた？









あなたの一番になりたかった


これ以上、望んではいけないとわかっていた



隣にいられることがなによりも幸せだったのに



それ以上を望んでしまったのだ




そこが私の欠点。




あ「っ…」



目尻が熱くなってくる、


色んな気持ちがこみ上げてくるのだ









＿＿＿ねぇ、太宰さん









あ「私じゃ…やっぱダメかなぁっ……」









あなたを好きになる前に戻りたい。

。17 。→←。15 。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す