(文スト) うん、分かってた。｢太宰治

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、





太「汐莉さんはおっちょこちょいでね、
見ていて面白いよ」



あ「汐莉さん、そんな感じしますもん」




太「ほんと、面白い子がいるもんだよ」



あ「…」




太宰さんが今している話は私が1番嫌な話なのに


それでも聞き続けるのは…



あなたに会えなくなるよりましだから





私が聞きたかったのは


汐莉さんの話なんかじゃない





太「今日の汐莉さんは雰囲気が違ったねぇ

あ、うっすら化粧しているのかな」




あ「そうだと思います」





せめて今日のためにした、

薄い化粧に気づいてほしかった






何をしたって、空回り。




あ「…」



化粧落としてこよっと




あ「すみません、
ちょっと国木田くんのところに行ってきます」




太「わかった」




あ「……」




いつから、
太宰さんに平然と嘘をつくようになったのか




＿＿＿＿

＿＿





あ「はぁ…」


顔を洗い、化粧を落とした



なんで落としたのかわからない


ただ、意味を失くしたと思えば
それを考えなくてもいいと思った




顔からしたる水が、ポチャンッと、音を立てる





あ「……」



鏡に映った自分の顔は酷いものだ


そんなこと思いながらタオルで拭き取って



太宰さんのところへ向かおうとした









国「A」



国木田くんに声をかけられるまでは



あ「どうかした？」



いつもどうり接したつもりだった



けど…



国「何があったか詳しくわ知らんが…」


あ「…」





国「なにがあっても
諦めることだけはやめるんだな」



あ「国木田くん…

ほんと、なんでもバレちゃうんだね、」




国「当たり前だろ」


いつもどおり接したはずなのに、

すぐに分かっちゃうんだもん


私は顔に出やすいのかな




あ「国木田くんはよく見てるね


＿＿＿＿＿うん、わかった」




私がそういうと、言ったあとから少しだけ

恥ずかしくなったのか



国「それがわかったならさっさと仕事に戻れ！
あと30分で企業の社長の護衛任務があるだろ！！」



と、怒鳴られてしまった




あ「うんっ、ありがとう」


それだけいい、太宰さんのところへ向かった





あ「…」



なにか、気付かされた気がする



国木田くんのおかげで、少しだけ…元気になった。




そうだよね…

諦めない限り、可能性はあるんだから



１%しかなくったってがんばってやろうじゃないの


途中で諦めるなんて、私らしくない





そんな決意をしたとき、丁度探偵社の入口についた

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