主役はかわった。2「ＹＯＩ」(オチはヴィクトルかユリオか勇利）

。81 。 ページ32

、






気づいちゃったんだ



ヴィクトルの表情をみて、




気づいたんだ







うまく言葉で言えないけど



これだけは、はっきり言えるたんだ









私たちが競技者である

ヴィクトルを殺しているということ






ずっと、ヴィクトルがコーチでいてくれるなんて


馬鹿みたいな考えしてた




違うよ、だめだよ





ヴィクトルは世界から必要とされてる存在。




いてくれるわけないよ







……じゃあ私＿







ヴィクトルがいなくなったら




どうするの？





競技続行？





……できるの？ヴィクトルなしで






ヴィクトルと勇利さんとユーリがいたから


ここまで来れたのに




コーチであり、ずっと支えてくれたヴィクトルが


いなかったら……






戦えるの？私……






私のコーチはヴィクトルしかいないよ……








あ「………」






でも……ね、



……だからといって、







私のワガママ一つで困らせたくない




今までさんざん困らせてきたんだ






もう困らせたくない。







それに、競技者であるヴィクトルを殺したくない








もとは、諦めたスケーター人生。






そして、スケーターとして最低なことをした私。






まず、GPFまでこられたことが光栄。









悔いは＿＿＿＿ないや









……なら…









あ「……」








＿＿＿＿



＿






『男子SPも終わり女子が始まります。
一番滑走は日本の英雄。結勝A』









ヴィ「A、落ち着いていってらっしゃい」





あ「……うん」




勇「大丈夫だよ？」




あ「うん、いってくる、」









私がそう言えば手を広げるヴィクトル。





あ「……」





いつもの私なら一目散に飛びついていた。









……けど、もう……違うの。








((ぎゅっ





ヴィ「…A…？」




勇「……A」








ヴィクトルと勇利さんの手を握るだけ。



思いを込めて手を握る。



力強く、精一杯、込めて。









あ「いって…きます…ｯ」






ヴィ「ちょ、A……！！」




勇「…まだ言いたい事がっ」








手を離し、リンクの真ん中へいく。







あ「…………」







ごめんね、







その腕に抱きしめられたら、




決意が揺らいでしまうの




その温もりを欲してしまうの






あ「っ……」









……ヴィクトルの考えてくれたSP



滑るの……最後なんだろうな………

。82 。→←。80 。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す