恵くん ページ48
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『貴方が、恵くん?』
「…誰」
目の前にはランドセルを背負う男の子。
……ほんとだ、悟くんの言う通り…あの人にそっくり。
なんだか、口元が綻んでしまう。
しゃがんで恵くんと目線を合わせ
『初めまして、鎖雀Aといいます。
恵ちゃんって呼んでもいいかな?』
「やだ」
…即答
『今日から…時々貴方達に会いに来るわ。
今日は…悟くんもいるけど』
そう言い彼の頭を撫でる。
「……なんでそんなに面倒みてくれるんだよ
俺と津美紀の高専からの金銭的援助と売られる件を帳消しにしてくれる代わりに将来呪術師として働く…それだけだろ?」
『…』
顔色ひとつ変えずに淡々と言う。
……本当に小学一年生?その語彙力はどこから?
お父さん譲りではなさそうね
『面倒は…別に私と悟くんの善意よ。
貴方達2人の事が気になるから、ただそれだけ』
「…そんなのお前らの…気まぐれだ。
途中でいなくなるぐらいなら、最初から居ない方がいい」
『…』
確か…津美紀ちゃんのお母さんも帰ってこないんでしたっけ?
甚爾さんの顔すら覚えてないって悟くんに聞いたし…
そうね、中途半端な優しさは時に人を苦しめる。
でも…
恵くんを抱き締め、
『途中で放り出したりしないわ。貴方の事を頼まれてるの』
貴方の父親は…ろくでもない人間でしたが…
最後は父親の顔をしてました。
子供に罪はない。
貴方が禪院家に売られるぐらいなら…私は手段を選ばない
悟くんに感謝ね、話を通してくれてよかったわ。
何も言い返してくれない恵くんでしたが、抱き締めても
嫌がらないということはいいのでしょう
そんな所へ
「あー!!Aさんこんな所にいたー!!!」
後ろから聞こえたのは津美紀ちゃんの声。
そして
「え、Aもう子供欲しいの?
『悟くん。
付き合い始めたからと言って調子に乗らないで下さいね』
……'' 僕 '' ですか。
まだ聞き慣れないけど、貴方が決めたのなら何も言いません
傑くんが2人の時に言ってきたその会話を何故だか思い出した
'
最強になった彼と完璧なった彼女の
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ゆい(プロフ) - 出来れば呪術廻戦0を期待します (2023年1月2日 19時) (レス) id: da308acd1e (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 凄く話が良いです! (2022年12月20日 0時) (レス) @page42 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
瑠歌 - 初コメ失礼します!ずっと言いたかったんですけど、お話すごい面白いです!更新がんばってください! (2022年12月15日 7時) (レス) @page22 id: 4793296ced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年12月7日 16時