亀裂 ページ38
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上半身…左半分の感覚がなくなった。
五条家がそんな隠し技持ってたとはな…
「…」
自分を肯定するためにいつもの自分を曲げちまった
「…」
その時点で負けていた。
「
自分も他人も尊ぶことない
そういう生き方を選んだんだろうが
「……最期に言い残すことはあるか?」
「……ねぇよ」
なにも…
俺には…なにも……
「…」
脳裏に浮かんだのは恵だった
「2、3年もしたら俺の
……好きにしろ」
そんで…
「……頼んだぞ、A」
視線の先には唇を噛み締めるA。
…なんでお前がそんな顔してんだよ……
『っ…自分の子供ぐらい…面倒みてくださいよ、バカ…』
「!!!」
……違う、恵に似てるんじゃない
_____
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Aside
頼んだぞ……なんて、私に言わないでくださいよ、バカ
子供を任される程…私は良い人じゃない
それは貴方が1番わかってたことでしょう?
…どうして彼が私に託したかは分からない。
それでも最後の…あの顔は……嘘じゃなかった
彼は父親の顔をしていた。
『…』
地面に倒れた姿を見ていると
「…天内の遺体は」
悟くんが虚ろげな表情で私に聞いた
『…施設の中に…あると思います』
「そっか」
『…』
戦い終わった悟くんはまるで別人のようで…
なんだか怖いと思ってしまう
呪力の感じ方も違う。眼帯はここに来る前にしてきた
きっと眼帯を外ししっかり見れば…
その変わった何かも分かるでしょう。
でも今は何も見たくない
『…』
彼の後ろを歩いた、すると
'
「オマエ…俺のこと殺そうとしてたんだな」
『っ…』
心臓が飛び跳ねた。
「どうなの」
振り向いた彼は、どこか怒っているようで
悲しんでるようで…見てられなかった。
…私が…こんな顔させてるのに
『……本当…です』
声が震えていても、ちゃんと伝えた。
でも…悟くんの目を見て言えなかった
『…』
あの男が悟くんに言ったのだろうか
いや、それでいい
…むしろ、言ってくれた方が良かったんです
私の口からは絶対に言えなかった。
その罪を…無かったことになんて出来ないのだから
黙っていようなんて…ダメ、私が耐えられなくなるだけ
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ゆい(プロフ) - 出来れば呪術廻戦0を期待します (2023年1月2日 19時) (レス) id: da308acd1e (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 凄く話が良いです! (2022年12月20日 0時) (レス) @page42 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
瑠歌 - 初コメ失礼します!ずっと言いたかったんですけど、お話すごい面白いです!更新がんばってください! (2022年12月15日 7時) (レス) @page22 id: 4793296ced (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年12月7日 16時