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そちら側の人間 ページ36

'




「俺がここにいるってことは…分かってんだろ」


『そうね。分かってるわ』


「星漿体の餓鬼のことも」


『ええ、勿論…』




「…おい、なんだよアイツ…」


孔時雨の言いたいことも分かる


不気味だな。なんもしてこねぇ
それにあの目…目を合わせたらダメだな



「絶対に目を合わせるなよ

って…もう分かってるか」


教祖様と孔時雨はAから目を逸らしている
なんなら教祖様はひれ伏してらァ



「…オマエは俺をどうしたい。殺すか?」


『その殺しに意味があるのなら』


「どうだろうな。気が晴れるか晴れないかじゃねぇか」


『なら…そうさせてもらうわ』



テンポのいい会話は終わり、女が背後から鎖を出す。


「…殺したくなかったんだけどな」

俺の言葉も聞かず女は歩み寄ってくる


…あの目をどうにかしねぇとな
コッチの動きが強ばって上手く体が動かねぇ



そう、思っていると





「お前の目的はなんだ!!!!コイツか!!!???」

と、教祖様が遺体収納袋から星漿体の餓鬼の顔を見せた。



『…』


目を見開き、Aの動きが止まった。
そして膝から崩れ落ちたのだ





「…」



星漿体の遺体を目の前に何を思ったのか知らねぇが…







「…分かってたんだろ?こうなってる事なんて」


『…分かってたわ』


「…今更驚いてんじゃねぇよ」


『でも…遺体(それ)を目の前にして…
実感してしまったんです…』


「じゃあなんで俺を殺そうとしねぇ
もっと罵倒しろよ、恨めよ。俺がその餓鬼を殺した」



女に近づき、見下ろす。




すると







「何も…言えないわ…だって、私も……


そっち(・・・)側の人間だったから…」



出会った時とは違い、光のない目。
その目からはボロボロと涙が溢れ頬を伝っている




「……」




そっち(・・・)側の人間…そうだな。
オマエも人を殺して生きてきたんだもんな

遺体袋に入った人間なんて何万と見てきたはずだ

でもそれが自分の守りたかった人だった時。
覚悟してたか?

奪い続けてきた自分が奪われる立場になるなんて思いもしなかっただろ







『……もう…殺せない…誰一人…』


両手で顔を覆い震える声でそう言った。





「…」



仕事帰り…こっそり隠れて泣いてた恵を思い出す




「…やっぱ似てんな」


『…誰に…ですか…』


「俺の子供(ガキ)にだよ。
もう何年も会ってねぇから知らねーけど」





顔すら…思い出せなくなった

勝負はこれからだろ→←来やがった



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ゆい(プロフ) - 出来れば呪術廻戦0を期待します (2023年1月2日 19時) (レス) id: da308acd1e (このIDを非表示/違反報告)
Mami(プロフ) - 凄く話が良いです! (2022年12月20日 0時) (レス) @page42 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
瑠歌 - 初コメ失礼します!ずっと言いたかったんですけど、お話すごい面白いです!更新がんばってください! (2022年12月15日 7時) (レス) @page22 id: 4793296ced (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年12月7日 16時

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