目覚めなくなった64日目. ページ17
、緑谷side
「……」
見つめる先には、
横たわるAと、その横に上鳴くん。
、
現実世界の彼女はいつもと変わらない。
目を閉じ、動きもしない、話もしない…
植物状態に等しい彼女。
でも…
夢の中に入れば、動いて、話して、
動作する彼女がいる。
みんな、そんな彼女を求め、
夢に入り続けている。
、
「ｽｰｯ…ｽｰｯ……」
、
特に…上鳴くんは…
人一倍、責任を感じてからなのか。
他の人より多く夢の中入っている。
今日だって、4回目。
、
「……大丈夫…かな…」
、
、
いつも元気に振舞ってる彼だけど…
、
夢に入るのにも体に負担がかかる。
それを人一倍している上鳴くんの体は大丈夫なのか
［夢喰い］でさえ、心配した。
、
、
、
、
上鳴くんのことだから…
無理を……してるんじゃないかな、
最近そう思って仕方が無い。
しかし、
だからといって、止めれない
上鳴くんを見てると、必死で…
止めれないんだ。
「…………」
そんなこと思いながら、
Aと上鳴くんを見つめていると
、
、
、
、
、
、
「緑谷、今日も来てたのか」
そういい、病室に入ってきたのは
「轟くん…」
"今日も"なんて言われるのは当たり前
…毎日…来てるしな、
「そんなこと言う轟くんも毎日来てるでしょ」
毎日学校で顔合わせてるのに、
放課後も顔を合わせ続けてはや1ヶ月。
「あいつがいつ目を覚ますかわかんねえからな」
その視線の先にはやっぱりAだった。
、
、
目を開けることない彼女。
動かないし…
、
、
、
、
、
「……ほんと、生きてるのか疑っちゃうくらい…」
手だって…冷たいんだ
「いつ…っ、戻ってくるんだよ…！」
このままいなくなってしまいそうで怖い。
消えてしまいそうで＿＿＿＿
「っ……」
思わず唇を噛み締めた。
その時だ。
、
、
、
「今は辛いかもしんねえけど…
俺はこいつが目覚めるって信じてる。
…できる限り、頑張ろうぜ。緑谷」
そう、声をかけてくれた轟くんに、
「うんッ…！」
、
ああ。、
どれほど救われているのか。
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作者名：黒姫ユキナ
| 作成日時：2018年7月14日 11時
