Struggle55 ページ6
貴方side
帰った振りをしていたけど、ランニングをしていた宵越くんを見かけて河川敷の木陰に戻ってきた。
2人がばったり会って話してる…
宵越｢何してんだよ｣
畦道｢いっぺー練習したのに……何も出来なかった…｣
本人同士で話した方が絶対スッキリするはず。
畦道｢オラはチームが追い上げてきた時も…！お前が活躍した時も……！喜びきれなかった…｣
宵越｢馬鹿なんじゃねーの？｣
畦道｢っ！｣
宵越｢練習の成果なんざ、試合で発揮できねぇのがザラなんだよ。3分の1も力を出せるかどうかだ。｣
畦道くんやっぱ宵越くんの事好きだなぁ。
食いつきようが違う(笑)
宵越｢他のスポーツを知らないお前はその辺の認識が甘い。負けるって事は他の奴がもっと積んできてるって事だ。｣
夜風が気持ちいい。
畦道｢オメーは…すげぇな…！｣
宵越｢当然だろ。俺はかつて天才神童不倒…色々な名前で呼ばれてたエリートだぞ。そんな人間がなぜカバディをやっている？｣
畦道｢なぜって……｣
宵越｢不倒を初めて倒したのは誰だと思ってる…｣
畦道｢……！｣
不倒宵越くんを初めて倒したのが畦道くんなんだろうか。
宵越｢お前が負けたら俺の株が落ちる。凹んでる暇あるならさっさと練習すんぞ｣
宵越くん、慰めるの上手じゃん…！
正くんの時とは大違い……！これもチームの為って気持ちが関係してるのかな。
畦道｢…やっぱカバディ始めて良かった……｣
宵越｢ふっ……｣
畦道｢畦道相馬ぁ！！！おらはこっからだ！！！！負けねぇぞ！！！｣
畦道くんは悔しさの呪縛から解き放たれたように元気よく叫んでいた。
もう心配する必要なんでなさそうだね。
畦道｢ほら宵越、走っぞ！宵越っ！｣
べシッ！
バッシャァァアン！！！！
畦道くんなりには軽く叩いたんだろうけどかなり力強かったのか、宵越くんが川に落ちた。
宵越｢……て、てめぇ…｣
畦道｢わ、悪かったって…！｣
貴方｢ふふふっ…｣
部員の不安は少しでも払拭してあげたい。
私は帰路に立って家へと足を進めた。
もう二度と人間として足を踏み外したくないし……
私と同じように苦しみを話す相手もおらず抱え続けて、あのような事になんてさせたくない。
この高校生活は能京カバディ部に捧げよう。
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作者名：うじっしー | 作成日時：2021年5月19日 1時
