Struggle71 ページ22
井浦side
何の気なしに抱きついたんだろうし人見も見た目で男である事を忘れる時あるけど…
何かモヤモヤするんだよな。
これを恋だって気づかない俺も相当だけど。
井浦「ちょっと顔洗いに行ってくる」
王城「わかった。10分休憩するからゆっくりして」
俺は体育館を出て渡り廊下の水道の方に向かった。
はぁ……
「ジャーー」
何で俺はAに対して気持ちが熱くなってるんだよ…
井浦「あ……」
しまった、タオル忘れてきた。
貴方「井浦さんっ」
井浦「A…!」
貴方「正くんに井浦さんがタオル忘れてったって聞いたので!」
正人か。
井浦「ありがとう」
顔を拭き、メガネをかけて改めてAを見た。
貴方「……何かどうなるか全然予測つかないですよね。」
井浦「宵越……か?」
貴方「えぇ、宵越くんもそうだし…宵越くんや正くんによってこのチーム自体がどう変わっていくのか……」
確かに宵越が入ってから色んな事があったし、カバディ部の雰囲気は変わったな。
でも……
井浦「でも、皆がそうやって頑張ろうって思えるのもAのお陰でもあると思うよ」
貴方「私……ですか?」
水澄と宵越は完全にAの事好きだし、正人も未だに好きなのか曖昧だし…
俺も…何だかAが周りにそう思われるのちょっと嫌だし、それに人見も結構Aにくっついてる。
畦道はまず彼女いるから有り得ない。
伊達と伴と関はよく分かんねーけど、まぁ伊達は普通に気に入ってるよな。
貴方「井浦さん!ボーッとしてますよ!」
井浦「ちょっと練習について考えてた」
まっぴら嘘なんだけどな。
貴方「そうですか、なら私先に体育館戻っときますね!」
ガシッ……
貴方「え……?」
ギュッ…!!
井浦「……!」
誰も居ないのをいいことに、体育館へ行こうとするAの手首を掴んでこちらに引き付け抱きしめていた。
その自分の行動に自分でも驚く。
貴方「い、井浦さん…?」
後ろから抱き締めているので表情まで分からないけど、彼女が戸惑ってるのは確か。
井浦「ちょっとだけこうさせてくれ……立ちくらみだ」
また嘘をつく。
貴方「落ち着いたら、戻ってドリンク飲みましょうね!」
それでもいつも通り笑顔で俺の気持ちに気づかないA。
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作者名:うじっしー | 作成日時:2021年5月19日 1時