好きだなんて 【宮侑】

24 苦手 ページ24

｢___はい、終了。ペン置いて前に答案用紙回せー｣






テスト最終日。

終了のチャイムが鳴ると、

テスト終了の開放感がやってきた。






｢.....終わった｣

｢ねー、やっと勉強から開放されるー！｣

｢赤点間違いなしや、ジーザス...｣

｢み、美樹頑張ったじゃない！ね？｣






しかし、開放感を味わっている暇ではない。

テスト期間が終われば

休みだった部活があと少ししたら

音楽堂に向かわなければならない。






｢(...宮くんも部活、だよね)｣






あの通話を最後に、宮くんとは1度も話していない。

あんなに話していたのがまるで幻のようだ。






｢(仲良くなれた、って思ってたんだけどなぁ)｣

｢Aは今日部活？｣

｢あ、うん｣

｢そっかあ、部活頑張ってな！｣

｢ありがとう、帰り気をつけてね｣

｢うん！ばいばーい！｣






そう言うと、美樹は教室を出ていった。

さて、私もそろそろ向かおうかな。






｢あかんわー、今回俺終わったー｣

｢ふっふ、勉強したんかお前｣

｢そういう侑はどうなん｣

｢俺は今回余裕や、赤点回避｣






男子の方でそんな会話が聞こえてきて、

その中に宮くんも居た。

あ、そろそろ音楽堂向かわなきゃ。

私は自分のカバンを持って教室を出た。

･

･

･

｢えー、もうすぐバレー部の大会がある。
それに今回も応援で吹奏楽も出ることになった。
先生このあと会議やから各々練習しとくようにー｣






先生は連絡するだけすると、

急ぎ足で音楽堂を後にした。

練習を始めようと準備していると、

後輩の女の子達の会話が聞こえてきた。






｢なあなあ、今回もあの人見れると思う？｣

｢見れるやろ〜！毎回試合出てるんやで？｣






多分、バレー部の大会の話をしているのだろう。

誰目当てなのかは大体予想がつく。






｢ね！Aさん！｣

｢え？｣

｢Aさんも楽しみですよね！バレー部の大会！｣

｢うん！今回も頑張って欲しいね！｣

｢それもありますけど！｣






そう言うと、後輩の女の子は

楽器を握りしめながら勢いよく私の目の前に来た。






｢宮先輩のことですよ！｣






ああ、その話題が私にも来てしまったか。

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