僕を… ページ44
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その温度と匂いは
数ヶ月ぶりだというのにあの日を鮮明に思い出させる。
───クリスマスの日にドラコに刻まれた紅い跡は
1週間もの間その存在を主張しつづけていた。
鏡を見る度にドラコの熱を思い出し、冷静になってから見ると恥ずかしさに気が狂いそうで仕方なかった。
僕のことを1秒たりとも忘れるなと
そう言われているみたいで無性に悔しくて。
それなのに不思議と不快感はなくて。
あの日からドラコの一挙一動に心臓が跳ねて落ち着かない。
なのにこの男はいとも簡単にその距離を縮めてくる。
ドラ「…あまり抜けたらみんなに気づかれるから一瞬だけだ。」
潜めるようにそう言うドラコの声は
少しでも注意を散漫にさせれば周りの喧騒に掻き消されそうだった。
ドラ「所詮お前もグリフィンドールだからな。どうせ今日の試合ポッターを応援するんだろう」
『…？！』
なぜ彼は急にそんなことを言いに来たのだろうか
問いかけようにも唇が塞がれているせいで思うように言葉を紡げない
ドラ「だから僕はお前に応援して欲しいなんて都合のいいこと言わない。───…けど、」
ドラコはそこで言葉を切った。
そして数秒間を置き、そっとAの耳元に唇を寄せる。
ドラ「今日だけは僕を見ていて欲しい」
Aは目玉がこぼれ落ちるのではないかと思うほど大きく目を見開いた。
怖いくらいに真剣なその声音に、身動ぎひとつ出来ない。
言葉の振動がびりびりと、やけに鮮明に鼓膜に響いた気がした。
実際にはほんの数秒だろうか。
けれども体感的には数分にも感じられた時間が過ぎた後、
ドラコがAの唇からゆっくりと手を離す。
Aは自由になった体で、ドラコの方を振り向いた。
アイスグレーの瞳の中には静かな炎が燃えている。
不覚にもAは、その好戦的なドラコの表情をカッコイイなと思ってしまった。
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美愛(プロフ) - 灯火さやさん» 前作に引き続きお読み頂きありがとうございます🥰ぜひどんな展開になるか、楽しみに待っていてください🙌 (2月9日 9時) (
レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
灯火さや(プロフ) - 初コメです。前作を一層読み、引継で読み漁り、ドラコがデスイーター路線になる設定が好みすぎます。夢主は死喰い人にはならず潜入スパイ的なポジションになるのかな？と思って読みました。 (1月29日 11時) (レス) id: f174f30836 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - ちゃんちゃんさん» とても創作の励みになるお言葉ありがとうございます！どんどん更新していくのでぜひぜひ待っててください✨ (1月26日 10時) (レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - いつもとても楽しませて頂いています！本当におもしろいです！また更新楽しみにしております☺️ (1月26日 2時) (レス) @page26 id: 0e52f3e689 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 美愛さん» ✉️。こんにちは。とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます💝🫶 (1月19日 15時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美愛 | 作成日時：2023年7月14日 18時
