幼なじみの哀しみ ページ40
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『い、たい……ドラコ…』
酷く情けない顔をしながらドラコを見上げるも、顔を怒りに歪めたドラコは決して腕の力を緩めようとはしない。
ドラ「───結局お前は、ああいうのが好きなんだな。」
『え…？』
ドラコのその低く冷たい声はたしかに苛立ちの色を強く孕んでいたのに、Aには不思議と泣いているようにも聞こえた。
ドラコの言葉の真意を確かめようとした瞬間、ヂリッとした痛みが首筋に走る。
何が起こったか分からないまま視線だけをずらすと、ドラコがAの首元に吸い付き、歯を立てていた。
『っ…、どらこ…！！』
じたばたと必死に藻掻くも、押さえつけられた腕と乗っかられた脚はビクともしない。
れろっ、という柔らかな感触はドラコの舌がAの首筋を舐めた感触だろうか。
こんなことするドラコなんて知らない人みたいで怖くて仕方ないはずなのに、その中で疼く甘い感覚に思わず鼻にかかる声が漏れた。
『っ……』
自分の声さえ知らないものみたいだ。
知らないもので満たされた空間はなにもかもが現実のものじゃないような気さえする。
目をぎゅっと瞑ったAの首元に熱く湿った息がかかり、
それさえもAの身体を震わせた。
ドラ「……お前が。お前さえ僕のものになるなら全部許してやる。」
『え？』
ドラ「こうやって僕を苛立たせたことも無かったことにしてやる。ヒッポグリフの件だって父上に言って取り消してやる。欲しいものは何でも与えてやる。」
首元に寄せた唇を離し、再びAを見下ろす。
苦しげに歪められたアイスグレーの瞳は、偉そうな口調に相反して懇願するようにも見えた。
『ねぇ…どうしたの…急に』
ドラコの情緒がAには分からない。
どうしてこんなに辛そうにしているのか、怒っているのに泣きそうな顔をしているのか。
ドラコに手を伸ばそうと押さえつけられた腕をそっとよじれば、今度はするりと抜けた。
───今なら逃げ出すことも出来るだろう
けれどもそれをしなかったのは何故だろうか。
Aはただ静かにドラコの頬を撫で、そのまま頭を抱えるようにして抱き締めた。
Aの胸元に顔を埋めるようにして抱き締められたドラコは、何も抵抗しなかった。
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美愛(プロフ) - 灯火さやさん» 前作に引き続きお読み頂きありがとうございます🥰ぜひどんな展開になるか、楽しみに待っていてください🙌 (2月9日 9時) (
レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
灯火さや(プロフ) - 初コメです。前作を一層読み、引継で読み漁り、ドラコがデスイーター路線になる設定が好みすぎます。夢主は死喰い人にはならず潜入スパイ的なポジションになるのかな？と思って読みました。 (1月29日 11時) (レス) id: f174f30836 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - ちゃんちゃんさん» とても創作の励みになるお言葉ありがとうございます！どんどん更新していくのでぜひぜひ待っててください✨ (1月26日 10時) (レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - いつもとても楽しませて頂いています！本当におもしろいです！また更新楽しみにしております☺️ (1月26日 2時) (レス) @page26 id: 0e52f3e689 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 美愛さん» ✉️。こんにちは。とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます💝🫶 (1月19日 15時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美愛 | 作成日時：2023年7月14日 18時
