ロマンチックな一時を ページ38
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外気に触れる場所だが、温かい空気が流れる魔法がかけられているのか寒くはなく、ドレス姿でもちょうど良い気温だ。
蒼白い月と宙に散りばめられた無数の星の見える幻想的なバルコニーの手すりにもたれながら、セドリックはAにシャンメリーを差し出した。
セド「はい、どうぞ」
月光に照らされる綺麗な横顔は、絵本の中の王子様にだって負けていない。
…ううん、余裕でセドリック先輩の方がかっこいい
熱に浮かされるような面持ちでシャンメリーを受け取り、Aは少し口付けた。
『…先輩って、本当に王子様みたいですよね』
セド「ええ、どうしたの急に」
Aの言葉に、セドリックは人好きのする柔らかな笑みを浮かべる。
『いえ、特に深い意味はないないんですけど…。なんかタキシード姿で、シャンメリー持ってバルコニーでエスコートって…すごくロマンチックな感じがして』
…そう、それは女の子なら誰もが憧れてしまうようなシチュエーションだ。
2年前にもそんなことを思ったっけと思いながら、
当時ロマンチックのかけらもないエスコートをした彼を思い出した。
セド「ふふ、楽しんでくれてるなら良かった。……ねぇ、これつけてくれてるんだね」
そう言ってセドリックはAの左耳の上に付いているリボンに手を伸ばし、そっと撫でる。
慈しむような手つきで触れるセドリックの指の端が耳に当たり、Aは思わず背中がぞくりと震えた。
『も、もちろんです…セドリック先輩がくれたから…』
温暖魔法なんてかかって無ければよかったのに
かかってなければ、紅く染まった頬もきっと12月の冷気が冷ましてくれたのにと、Aは心の底から思った。
セド「Aちゃん…」
ゆっくりと名前を呼び、セドリックはリボンを撫でていた手を少し下にずらす。
そのまま耳の付け根まで真っ赤にしたAの耳を、輪郭の形を確かめるように撫でた。
『っ……！』
くすぐったい様な、それでいてその影に潜む気持ちよさがAの脳を侵食する。
溢れ出る何かをこらえるかのようにAはぎゅっと目を瞑り、唇を噛んだ。
セド「…ダメだよ、男の前でそんな可愛い顔しちゃ。」
セドリックが小さく何か言っただろうか。
Aが聞き返そうとした時、
言葉をかき消すかのように後ろから強引に引っ張られ、
そのまま抱きしめられた。
「触るな。」
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美愛(プロフ) - 灯火さやさん» 前作に引き続きお読み頂きありがとうございます🥰ぜひどんな展開になるか、楽しみに待っていてください🙌 (2月9日 9時) (
レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
灯火さや(プロフ) - 初コメです。前作を一層読み、引継で読み漁り、ドラコがデスイーター路線になる設定が好みすぎます。夢主は死喰い人にはならず潜入スパイ的なポジションになるのかな？と思って読みました。 (1月29日 11時) (レス) id: f174f30836 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - ちゃんちゃんさん» とても創作の励みになるお言葉ありがとうございます！どんどん更新していくのでぜひぜひ待っててください✨ (1月26日 10時) (レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - いつもとても楽しませて頂いています！本当におもしろいです！また更新楽しみにしております☺️ (1月26日 2時) (レス) @page26 id: 0e52f3e689 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 美愛さん» ✉️。こんにちは。とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます💝🫶 (1月19日 15時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美愛 | 作成日時：2023年7月14日 18時
