黄色いガーベラ ページ3
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Aが石になってから約1ヶ月。
冬の寒さも明け、暖かくなってきたホグワーツはイースター休暇を迎えていた。
相変わらず秘密の部屋の騒ぎが落ち着かず、
どんよりとした雰囲気が漂うホグワーツ。
そんな恐怖心から逃げるように大半の生徒は自宅へと戻っていたが、ドラコはただ1人、医務室のベッドの横の椅子に腰掛けていた。
あの日から毎日のようにここに来る。
もしかしたらAが目を覚ますのではないか、とか
ある日突然間抜けな顔で「あれ？どうしたの」なんて言うのでは無いか、とか
そんな淡い期待がどうしても拭えなかった。
だがドラコを出迎えるのはあいも変わらない灰色の無機質なかたまり。
ソレを見る度に
ドラコは心臓が抜け落ちたような空虚感に包まれるのだ。
今までAの面倒を見てきたのは自分だと思っていた。
すぐ迷子になるし、すぐ泣くし、魔法も上手く使えないし。
ドラコが助けてあげなければならない存在なのだと。
だが失ってから初めて気づいたと言ったらAは頬を膨らますだろうか。
Aの存在に支えられていたのはドラコの方だったのだと、
痛いくらいに身に染みていた。
ドラ「…あのチョコ、甘すぎたぞ。僕は甘いのは苦手だ。次作る時はもっと甘くないやつをつくれ。」
返事の返ってこないAに向かってぶつぶつとドラコは呟く。
もう！そんな文句言うなら食べなくていいよ！
そう反論してくるAの声が聞こえないことが酷く哀しかった。
怒っててもいい、不機嫌な声でもいい。
なんでもいいからAの声が聞きたかった。
ドラ「ちゃんと僕のそばにいないからこんな目にあうんだ、バカめ。」
油断すると溢れそうになる涙を堪えながら必死に悪態をつく。
普段はスリザリンのみんなが周りにいるから強がるしか無かった。
みんなと騒いで、グリフィンドールの奴らにちょっかいをかけたりしていれば幾分か気が紛れていた。
だがこうして1人になれば、
どうにもならない虚無感がドラコを襲う。
ならドラコも自宅に帰れば良かったのだが
何故かAを置いては帰るという選択肢はなかった。
ドラ「…お前が居ない世界はつまらない。」
ドラコはそう小さく呟き、
オーキデウスで出した黄色いガーベラをそっとベッドの横に置くと医務室を後にした。
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美愛(プロフ) - 灯火さやさん» 前作に引き続きお読み頂きありがとうございます🥰ぜひどんな展開になるか、楽しみに待っていてください🙌 (2月9日 9時) (
レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
灯火さや(プロフ) - 初コメです。前作を一層読み、引継で読み漁り、ドラコがデスイーター路線になる設定が好みすぎます。夢主は死喰い人にはならず潜入スパイ的なポジションになるのかな？と思って読みました。 (1月29日 11時) (レス) id: f174f30836 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - ちゃんちゃんさん» とても創作の励みになるお言葉ありがとうございます！どんどん更新していくのでぜひぜひ待っててください✨ (1月26日 10時) (レス) id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃん(プロフ) - いつもとても楽しませて頂いています！本当におもしろいです！また更新楽しみにしております☺️ (1月26日 2時) (レス) @page26 id: 0e52f3e689 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 美愛さん» ✉️。こんにちは。とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます💝🫶 (1月19日 15時) (レス) id: 4c65165166 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美愛 | 作成日時：2023年7月14日 18時
