褒美 ページ35
・
『あら、ドラコ。お疲れ様。今日も随分遅くまで練習してたのね。』
ドラ「フン、アイツらの物覚えが悪いんだ。」
『ふふふ、熱心に指導してくれてるってハーマイオニーが言ってたよ。』
監督生の部屋のドアを開ければ
ソファに座って執務をこなすAの姿がひとつ。
もう日報は書き終えたのか、閉じられた冊子の横でサラサラと手紙のようなものを綴っていた。
ドラ「僕が教えてるんだ。出来無かったら僕の力不足みたいじゃないか。だから出来るまで叩き込んでやってるだけだ。」
『そう。…案外ドラコは教師とか向いてるのかもね。』
ドラ「はぁ？」
『ううん、なんでもない。』
楽しそうに微笑んでいるAの横に腰を下ろす。
僕の重みに品のいい柄のソファが沈んだ。
ドラ「日報、ありがとな。」
『今日は時間に余裕があったからね。ドラコも頑張ってくれてるしお互い様よ。』
ドラ「そうか。」
Aの頭をポンポンと撫でると、
Aは顔をほころばせる。
僕にだけ向けられるこの表情が心地良かった。
ドラ「…なぁ、じゃあ頑張ってる僕になにか褒美はないのか？」
『え？』
ドラ「Aのために、わざわざこんなめんどくさいことやってるんだぞ。」
急に雰囲気を変えた僕に反応して
Aの表情も甘く、彼女の顔つきに変わる。
『べ、別にやってくれってお願いした訳じゃ…貴方が勝手にやるって言い出して…』
ドラ「うるさい。」
それ以上の言葉を閉ざすように唇を塞いだ。
ゆっくりと交わされる温もりが焦れったくて、
性急に舌で唇を割る。
付き合ってからずっとされるがままだったAも
ここ最近は呼応するように舌を絡め返してきてくれるようになっていた。
それがまた僕の欲望を刺激する。
熱い吐息と共に唇を離せば、
熱っぽい視線が僕を捕らえた。
『…自分勝手。』
ドラ「フン、そんなとろけた顔をして言われてもな。」
『っ…！』
僕がにやりと口角をあげると
Aは睨むようにこちらを見てきた。
ドラ「なぁ、まだ足りない。…Aからして。」
『え…』
ドラ「ご褒美、もらってない。」
『ご、ご褒美なんてそんなのあるわけ…』
ドラ「欲しい。」
下から覗き込むようにしてAの瞳を見つめれば、
言葉に詰まったのはAの方だった。
僕の視線に逡巡するように目を泳がせ、唇を噛む。
どうしようか迷っているAの髪を
「早く」とねだるように指で弄べば、
ビクンと体を強ばらせた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美愛(プロフ) - Aliceさん» 沢山褒めて頂きありがとうございます！私の方こそコメントとても励みになってます🥰毎日のガッツポーズを楽しみに書き綴りますね！笑 (2023年4月9日 13時) (
レス) @page48 id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 第4篇お疲れ様でした！しつこいくらいコメントしてますがそのくらい気持ちが溢れてます！美愛さんの文の書き方、言葉の選び方、何をとっても好きです！毎日更新の知らせがくると本当にガッツポーズしてます( *˙ω˙*)و (2023年4月8日 21時) (レス) @page48 id: fa4665eb65 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - Aliceさん» お気遣いありがとうございます😌毎日更新を見守って頂き嬉しく思います。しっかりと休ませて頂いたのでまた楽しく書き綴らせていただきますね！ (2023年4月3日 19時) (レス) @page37 id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 昨日の更新の時にコメントしようと思っていたのですが、もし次の日に再度体調崩されるかもしれないと思いまして今日更新したらコメントしようと考えておりました！お身体の方はお休みになられましたでしょうか？これからもご自身のペースでゆっくりやられてくださいね。 (2023年4月2日 20時) (レス) @page34 id: fa4665eb65 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - Aliceさん» ありがとうございます。今日から再開致しましたのでぜひまた読んでいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2023年4月1日 21時) (レス) @page33 id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美愛 | 作成日時：2023年3月12日 18時
