力になりたい ページ33
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しばしの沈黙の後、ゆっくりとAは口を開く。
『…力に、なりたかったのよ。』
ドラ「…」
『だって力を秘めた魔法使いたちがこの国のために頑張ろうとしてるのよ?それなら…私に出来ることなら力を貸してあげたいと思うのが当たり前じゃない。』
俯いたまま小さくそう言うAの姿に
1年生の期末試験の時に僕からグレンジャーを庇ったAの姿が重なった。
【血なんか関係ないでしょ。努力した魔法使いが今後の魔法界を支えていくの。】
今思えばあれは、長い間魔法省でアイザックとして頑張ってきた末に出た言葉だったのだろう。
腐敗した魔法省、魔法界を見てきたからこそ、
今後の魔法界を支える、力ある魔法使いを育てるべきだと。
Aの気持ちは分かるし、
Aの想いを尊重してあげたい気持ちだって山ほどある。
だが明らかに目の前にしんどそうなAがいるのに
心から賛成はしてあげられなかった。
ドラ「…それは、どうしてもお前がやらないといけないのか?」
『わからない。…でも、私に出来ることはしてあげたい。』
ゆっくりとAの目の奥深くを覗き込むようにして尋ねれば、Aはしっかりとこちらを見つめ返してきた。
その瞳には強い意志がこもっていて、
もうこれは何を言っても折れそうにないなとため息をついた。
ドラ「…わかった。」
半ば諦めの思いと共にそう言った僕に
Aは少しだけ表情を和らげる。
『ありがとうドラコ、分かってくれて…』
ドラ「じゃあ僕が講師をしよう。」
『えっ?!』
Aの言葉を遮るようにして言った唐突な僕の提案に
Aは心底驚いた顔を浮かべていた。
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美愛(プロフ) - Aliceさん» 沢山褒めて頂きありがとうございます!私の方こそコメントとても励みになってます🥰毎日のガッツポーズを楽しみに書き綴りますね!笑 (2023年4月9日 13時) (レス) @page48 id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 第4篇お疲れ様でした!しつこいくらいコメントしてますがそのくらい気持ちが溢れてます!美愛さんの文の書き方、言葉の選び方、何をとっても好きです!毎日更新の知らせがくると本当にガッツポーズしてます( *˙ω˙*)و (2023年4月8日 21時) (レス) @page48 id: fa4665eb65 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - Aliceさん» お気遣いありがとうございます😌毎日更新を見守って頂き嬉しく思います。しっかりと休ませて頂いたのでまた楽しく書き綴らせていただきますね! (2023年4月3日 19時) (レス) @page37 id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 昨日の更新の時にコメントしようと思っていたのですが、もし次の日に再度体調崩されるかもしれないと思いまして今日更新したらコメントしようと考えておりました!お身体の方はお休みになられましたでしょうか?これからもご自身のペースでゆっくりやられてくださいね。 (2023年4月2日 20時) (レス) @page34 id: fa4665eb65 (このIDを非表示/違反報告)
美愛(プロフ) - Aliceさん» ありがとうございます。今日から再開致しましたのでぜひまた読んでいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2023年4月1日 21時) (レス) @page33 id: 66f373a354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美愛 | 作成日時:2023年3月12日 18時