エピローグ ページ13
「これで良かったのかな、ナオミ」
谷崎は自らの妹、ナオミに言った。
「仕方ありませんわ。それに、私達を匿ってくださるのなら有難い限りでしょう?」
「……そう、だね」
谷崎潤一郎、ナオミはこの日から武装探偵社に勤務することとなった。
つい三日前までは平然と学校へ通っていたのだが、身寄りのなくなった二人は社員寮で暮らしながら働くこととなったのだ。
この武装探偵社が異能力者の集まりだということ、僕自身が異能力者であることは、その日に社長さんに聞いた。
探偵社員として必ず守る、妹も同様だ。
そう言ってくれたのは有り難かったが、やはり拭いきれない罪悪感があった。
「ナオミ」
「なぁに、兄様」
「僕の前から消えないでね」
「もちろんですわ。兄様こそ、ナオミを一人にしない?」
「あぁしない。約束するよ」
僕はナオミを愛した。血の繋がった兄妹として。
いや、それ以上に。
ナオミもそうらしい。僕にとっては煩わしいくらいの関わり方も、ナオミなりに僕を愛してくれているのなら、快い。
多分、互いにもう何も見えない。
見えるのは愛すべき血の繋がりのない兄妹。
僕の雪をナオミは綺麗だという。
全てを包み隠すまっさらな雪は、確かに綺麗だ。
*〜蒔愛より〜*
完結しました!
短いお話で駆け込み状態だったのですが書き終えられて良かったです。
この話はあくまで作者の想像(妄想)なので原作でまたいつか二人の過去も書かれたら嬉しいなと思っています。
最後までお読みいただき有り難うございました。
では、他の作品でお会いしましょう。
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