黒薔薇の花束を貴方に【文スト】【芥川龍之介】【ヤンデレ】

二輪 ページ4

遡ること4日前ーーーー
(芥川side)
ある組織を追いかけ路地裏を歩いている時だった。

『バイバーイ！！また明日ね！』

僕はある女を見つけた。
その女の笑顔はまるで花のように可憐でそして繊細で、特別美人というわけでもないのに僕の目を釘付けにした。

だが、女が警察署前の掲示板の僕の指名手配写真を見てこう云ったのだ。

『なんでこんなことできるんだろう…。人を殺すとか、バカじゃん…頭おかしいよ。』

吐き棄てるようにして云われたその言葉にひどく怒りがこみ上げると同時に、何故か…

何故かあの女に認めてもらいたい、自分の行動を、あの女に心の奥から認めてもらいたいという太宰さんに対する考え方と同じようなものが込み上げてきた。

「何故…だ…？」

わからなかった。何故こんなにも、初めて見た女にこんな気持ちを抱くのか。
何故こんなにもあの女に認めて欲しいのか。

『はぁ。人の命をなんだと思ってんのかな…』

僕の気持ちなんて知らずに女は歩いて行った。

〈あの女に僕を認めて欲しい〉

その気持ちが強くなった。

それからというもの、あの女の情報を全て集めた。
邪魔するものは排除して、ポートマフィアの権力全てを駆使して。

〈花崎A〉

彼女の名前。何故こんなにも胸が熱くなるのか。

「はやく…僕のものにしたい」

こんな風に思いながら日々血で血を洗った。

彼女への承認欲求が強くなる、だんだんこれが


［恋］


なのだと自覚し始めたからだ。

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