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警察「お嫁さん、元気で可愛らしい方なんですね」
片「はい、特にAの笑顔は誰よりも綺麗で、辛い時いつもAは、俺の側にいてくれる唯一の心の支えでした。」
だが俺の唯一の心の支えはもう無くなった…。
警察「…………」
警察の方はそんな俺になんて言葉を掛けようか迷っているようだった。
すると奥からもう1人の警察の方が走ってきた。
鑑識「部屋を調べ終えました。お嫁さんの死因は……毒殺でした。」
片「毒殺…?」
警察「鑑識に詳しい説明をしてもらうために、控え室に行きませんか?」
無理そうだったら、ここでも…と付け足す警察の方は申し訳なさそうに俯いている。
片「行きます。行かせてください」
鑑識「ではこちらに…あ、控え室に入ったらあまり物やお嫁さんを触らないようにしてください。指紋がついたら後々大変なので」
もし触るなら、と警察の方は俺に手袋を渡してきた。指紋がついたら調べる時にややこしいのだろうか…?そう考えているうちにAのいる控え室前にいた。
警察「大丈夫ですか?」
片「っ…はい、大丈夫です。」
この扉を開けたら、Aがいる。
バクバクとうるさい心臓を落ち着かせるために深く深呼吸をして扉を開けた。
すると相良や三橋たちが魂が抜けたように棒立ちになって一点を見つめていた。
どこを見ているんだ、と三橋たちが見つめているところへ向かう。するとそこには
片「Aっ!!!!!」
口から血を流し仰向けに倒れているA。
その周りには花瓶が落ちたせいか、花が散らばっていた。よく見るとAの目には涙が乾いた後がある。
俺はAの顔の近くにしゃがみ、頬を撫でた。
手袋越しでもわかるほどAの頬は冷たかった。
改めてAが死んだことを実感した。なのに俺は涙が出なかった。その代わり、今まで以上の怒りを感じた。
半殺しじゃ済まないくらいの地獄を………
鑑識「説明しても、いいですかね…?」
空気が読めない奴なのか分からないが警察の方は恐る恐る話しかけてきた。
片「…どうぞ」
と俺は立ち上がる。すると相良は俺の隣に来て背中をトントン、と叩いてきた。
相「今は落ち着け」
片「あぁ…」
相良は俺と一緒にいた時間が多いからか、俺が怒っている気配を瞬時に察して落ち着かせてきた。
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離音 - 続きが気になります…!すごく面白かったのでぜひ書いていただきたいです! (2020年10月5日 1時) (レス) id: 93b6ba56ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クレアのジョッキー | 作成日時:2020年8月26日 22時