訪問者 ページ38
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それからお昼の準備をして、私と宏くん
は泉さんの家に向かった。
今日も茹だるような暑さ。
泉さんのマンションは郊外にあり都心で
ありながら緑が多い。降るようなセミの声
の中、逸る気持ちでマンションに急いだ。
「ここです」
「へー、すげえマンションだね」
インターフォンを押すと
『はい』
泉さんの声がした。その声は低く、元気
がなかった。
「Aです」
『今開けるね、どうぞ』
エレベーターを下りて部屋に行くと、ド
アの前で泉さんが待っていてくれた。
「北山くん……」
「こんにちはっ！」
泉さんは一瞬驚いた顔をしたけど、宏く
んを見ると微笑んだ。
「久しぶりっす」
「どうぞ入って、Aちゃんまた作ってく
れたの？いつもありがとう」
目が腫れて憔悴しきった顔の泉さんは、
とても痛々しく見ているのが辛かった。
「泉さん、メール見ました……ごめんな
さいっわたし、宏くんに話しました」
泉さんは特に顔色を変えずに私の話を聞
いていた。その顔には何も感情がないよう
に見え、心配になる。
「そう……いいのよ、北山くんびっくりし
たでしょ？ダメな女だよね私」
「泉さん……」
「昨日の夜、渉がダースを迎えに来たとき
話したの。だって私と結婚したいなんて
言いだすんだものっ…渉、バカよ…っ」
そう言うと、顔を手で覆って泣き出して
しまった。２人の気持ちを知ってるだけに
あまりに切なくて胸がキューっと傷んだ。
「それでどうしたんですか？」
宏くんが私に目配せしてから泉さんに優
しく聞いた。
「結婚はもう考えられないって言ったの。
妊娠してるなんて言えない。しかも父親
が分からないなんて……渉に対しての気
持ちが冷めたって、もう好きじゃないな
んて言っちゃった。渉、すごく傷ついた
顔してた」
「本心じゃないですよね？」
「本当の事なんて言えるわけない、渉の子
供じゃないかもしれないのよっ！この子
は私が１人で育てる。もう決めたから」
「横尾さんに話そうとは思わないんですか
？」
宏くんは泉さんの言葉をうなずきながら
聞いている。
「話そうと思ったよ、だけど渉の顔みたら
どうしても言えなかったの」
「話そうと思ったんすね」
――その時
ピンポーン
「ごめんね、ちょっと待ってね、はい？え
っ？渉……なんで…」
やって来たのは、横尾さんだった。
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siori(プロフ) - 桜さん» わわっ、こんな昔のお話まで読んでくださったんですね〜、うれしいですっ(*^^*)またキュンをお届けできるように頑張ってお話考えたいと思います！わざわざコメントありがとうございました！\(//∇//)\ (2017年9月10日 7時) (
レス) id: 257dd72e9d (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - やばいやばい(；_；)このお話も素敵過ぎます(･_･、)sioriさんのお話、全部本として出版してほしい…(笑)キュンキュンするし感動もするし(> <｡)こんなに素敵な作品を作れるなんて憧れます(*^^*) (2017年9月9日 23時) (レス) id: 54b9345723 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - れいさん» わぁー！本当ですか？！うれしすぎますっ、今連載中の作品には横尾さんは登場していませんが、また別の作品でぜひ登場してもらいますねっ\(//∇//)\ (2016年8月12日 8時) (レス) id: 257dd72e9d (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - お返事嬉しいです！ﾎﾟｲﾝｾﾁｱ←何度も読み返したくらいのﾌｧﾝです。みっくんの表現がﾘｱﾙというか、本当にこんな感じなんだろうなって思えます。R18の方もﾄﾞｷﾄﾞｷしつつ何度も読んでます。渉さんのR18も読んでみたいです。 (2016年8月12日 1時) (レス) id: 295f37addd (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - れいさん» こんばんは！横尾担の方に楽しんでいただけてうれしいですっ(*^-^*)私はみっくんと横尾さんの関係が好きで、今回登場していただきました！楽しんでいただけたようで書いてよかったです！またよろしければ他の作品も読んでみてくださいね！ありがとうございました！ (2016年8月11日 22時) (レス) id: 48181ee644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2016年4月27日 15時
