ポインセチアの窓辺 3 -I treasure you-

45.優しい言葉 ページ45

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みっくんと話しあい、私たちが暫く離れることになってから１週間が経とうとしていた。


彼に会えない１週間はとても長く感じ、心にぽっかりと穴が開いたよう。
思い出すのは、いつも私を励ましてくれた可愛い笑顔と低くてちょっと掠れた声。
ふとした時にみせる真剣な表情や、可愛い寝顔……
そういえば、ヤキモチはうれしいって言ってくれたこともあったっけ。
まだあの時は可愛いヤキモチだったけれど。
いつも私を守り、包みこんでくれていた。
離れてみて彼の大切さが身に染みる。







その日、自宅の最寄り駅に着くと改札口に藤ヶ
谷さんが立っていた。




「えっ？藤ヶ谷さん！」
「あ、佐藤さん」
「どうしたんですか？」
「いや……この前、北山さんと大丈夫だったか気になってさ。俺、佐藤さんの連絡先知らないから待ち伏せなんてしてごめんね」




彼の気持ちを思い、思わず目を伏せる。




「大丈夫でした。ご飯くらいいいって」
「そっか……なんか混乱させちゃったでしょ？だけど俺の本心だから。佐藤さんに彼がいるの知ってたし。だけど俺も自分の気持ち止められなくて……」
「いいえ……」
「最近カフェ行ってないの？会社帰りにたまにのぞくけどいないから」
「あ……実は色々あって、みっくんと暫く会わないことにしたんです」
「えっ？もしかして俺が原因？」




藤ヶ谷さんは目を丸くして、それからすぐに訊いてきた。




「違います。藤ヶ谷さんは関係ないですよ。私たちの問題だから」
「そう……あのさ、佐藤さんもたまには週末に公園来ない？ちびの散歩はなくても、ベルと触れ合ったりすれば癒されるんじゃないかな？」
「はい……ありがとうございます」
「あの……さ、連絡先の交換はやっぱり駄目だよね？」
「それは……みっくんが嫌がると思うので……ごめんなさいっ」




すると突然、藤ヶ谷さんに抱き寄せられた。
彼の早い鼓動が服の上から伝わってくる。
どうしよう……っ、胸がドキドキする。




「藤ヶ谷さん……」
「北山さんとのこと、何が原因かは分からないけど俺だったら佐藤さんにそんな顔させないよ。
少し痩せたでしょ？この前も沈んだ表情してる気がしてほっとけなかったんだ」




そんな優しい言葉をかけられたら、藤ヶ谷さんに気持ちが揺れちゃいそうになる。




「俺のことも考えてくれない？」
「でも今は……」
「ゆっくりでいいから。俺、気は長いんだ」




藤ヶ谷さんは、そう言って笑った。








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