42.慟哭 ページ42
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寝室に入るなり、ベッドに押し倒されて組み敷かれた。頬や首筋にキスをしながら彼の熱い手が身体を這う。
「A……後ろからはいっていい?」
今日のみっくんは余裕のない感じで、私のおしりを高く持ち上げると早急に中にはいってきた。
姿態は自然と前のめりになり、目の前の枕を掴む。
私の枕……そう思ったら、急にこの前の光景が甦ってきた。
「んっ、あっ、あっ、やっ」
「A、あっ、いいっ……」
みっくんに後ろから大きく揺すり上げられると、噛み締めた歯の間から嗚咽が漏れる。
泣いたらダメっ……咄嗟に口を押さえた。
ハァ、ハァ、ハァ、
「ああっ、やぁ……っ」
「A、あぁっ、あぁっ、イクっ」
腰を深く送り込み、低く呻くと、彼は私の中で静かに果てた。
「A、愛してるよ。こっち向いて」
甘く優しい、私の大好きな声だった。
「いや……見ないで」
みっくんは、驚いて私を見た。
「……えっ?泣いてんの?……ごめんっ……嫌だった?」
違うのっ。
私は首を横に振りながら、込み上げてくる嗚咽を必死で堪えた。
みっくんはひどく動揺している様子で、ぎゅっと私を抱きしめてくる。
「ごめんっ、お前の嫌なこと、俺しないから……ごめんな……ごめん……ごめん……」
背中をさする優しい手。
私は彼にしがみつきながら、感情のまま泣き続けることしかできなかった。
*
次の日から、みっくんは完全に快復してカフェで働き始めた。
会社帰り、家で何も作る気力がなくて。
コンビニ弁当でも買おうかと駅近のコンビニに立ち寄ろうとした時だ。
「佐藤さん」
声のした方を見ると、藤ヶ谷さんが立っている。
「あ、藤ヶ谷さんお久しぶりです」
藤ヶ谷さんは「また会ったね」とにっこり笑った。
「何?今日の夕飯はコンビニなの?そういう俺も同じだけど」
「あ、はい。今日はこれで済ませちゃおと思って」
「じゃあさ、せっかく会ったんだしこれから飯行かない?」
「でも……」
「この前ちびが来なかったでしょ?ベルが寂しかったみたいで、せっかく連れて行ってやったのに全然歩こうとしなくて困ったよ」
そう言い、眉尻を下げる。
ベルの可愛い顔を思い出し、思わず顔がほころんだ。
「そうだったんですね」
「誰かと食べた方が、コンビニより美味いんじゃない?」
「じゃあ、ちょっとだけ行きます」
藤ヶ谷さんの優しい笑顔にほっこりする。
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siori(プロフ) - 美月さん» 美月さん、初めまして!何回も読み返して下さっているなんて感激ですっ(涙)ポインセチアは私の初作品なのですが、文章が酷くちょっと手直ししています。終わったものから必ず外しますので少々お待ちくださいっ。外したらお知らせがいくようにしておきますね! (2021年2月12日 9時) (レス) id: dd09f4ba27 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 初めまして。sioriさんの作品の大ファンです!!何度も読み返してキュンキュンしています(^^)中でもポインセチアの窓辺は、大好きな作品です!!パスが外れるのを楽しみにお待ちしております!! (2021年2月11日 8時) (レス) id: 0eb5a1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - ななさん» ななさーん、そんなに読んでくださっているなんてっ(;´∀`)ありがとうございますっ。感激……ポインセチア5も、なるべく早くパスを外せるようにしますね!ありがとうございました(*^-^*) (2017年1月28日 8時) (レス) id: 6dbbe70c0b (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 先程、白万重の想い出を読み終え、あとはポインセチアの窓辺でsioriさんのお話制覇…読破?!と思っていたところで新作もありますし、続きを読めるのはもっとずっと先だと思っていたのですごく嬉しいです。じっくり読ませていただきます。ありがとうございました (2017年1月28日 0時) (レス) id: f978e26386 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - ななさん» ななさん、(*'ω'*)コメントありがとうございます!そしてお待たせいたしました。先ほどパスを外しました。5は、今編集中ですので、少々お待ちください。初の作品なので、文章がめちゃくちゃでお恥ずかしいですが、楽しんでいただけたら幸いです(*^-^*) (2017年1月26日 15時) (レス) id: 6dbbe70c0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:siori | 作成日時:2016年1月22日 17時