3.落ち込む気持ち ページ3
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「おーい、A、聞いてる?」
「え……?」
みっくんが、カウンターの向こうから私の顔をじっと見つめている。
カウンターの上に視線を移せば、目の前にミルクたっぷりのカフェオレが置いてあった。
いつ淹れてくれたのか全く気づかなかったなんて……
「どうした?大丈夫?今日はベルと会えたの?」
「あ、うん……」
「あのさ、キャンプの話なんだけど研修旅行の次の週はどう?研修終わらないと、気分的に落ち着かないだろ?」
「うん」
「じゃあ、日にち決めて教えて。予約するから」
「……分かった」
楽しみにしているキャンプなのに、さっきの会話を聞いてしまったせいでどうしても気分が落ち込む。
明日から会社ってこともあり気持ちが沈む一日だった。
店が終わると、みっくんは私を家まで送ってくれた。
「連休あっという間だったね。みっくん結構忙しかったでしょ?疲れない?」
「俺は元々体力あるし大丈夫だよ。毎日Aと一緒に寝られたしなぁ」
なんて嬉しいことを言ってくれる。
「じゃあ、またね」
「あ、待って……」
車を降りようとすると、みっくんに腕を掴まれた。
「A」
「うん」
「本当に、いつでも俺の部屋で待っててよ」
身体ごと包み込まれ、優しい声が耳元で聞こえる。
ありがとうみっくん。
私の不安が伝わっちゃったのかな……
「うん、ありがとう」
私はそれだけ言うと車から降りた。
走り去る車を見送り、マンションのエントランスまでゆっくりと歩く。
どこからか、マロニエの香りが漂ってくる初夏の宵。私はその甘い香りを思い切り吸い込んだ。
気にしないようにしなくちゃ……
優しく肌を撫でる夜風が心地よかった。
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siori(プロフ) - 美月さん» 美月さん、初めまして!何回も読み返して下さっているなんて感激ですっ(涙)ポインセチアは私の初作品なのですが、文章が酷くちょっと手直ししています。終わったものから必ず外しますので少々お待ちくださいっ。外したらお知らせがいくようにしておきますね! (2021年2月12日 9時) (レス) id: dd09f4ba27 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 初めまして。sioriさんの作品の大ファンです!!何度も読み返してキュンキュンしています(^^)中でもポインセチアの窓辺は、大好きな作品です!!パスが外れるのを楽しみにお待ちしております!! (2021年2月11日 8時) (レス) id: 0eb5a1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - ななさん» ななさーん、そんなに読んでくださっているなんてっ(;´∀`)ありがとうございますっ。感激……ポインセチア5も、なるべく早くパスを外せるようにしますね!ありがとうございました(*^-^*) (2017年1月28日 8時) (レス) id: 6dbbe70c0b (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 先程、白万重の想い出を読み終え、あとはポインセチアの窓辺でsioriさんのお話制覇…読破?!と思っていたところで新作もありますし、続きを読めるのはもっとずっと先だと思っていたのですごく嬉しいです。じっくり読ませていただきます。ありがとうございました (2017年1月28日 0時) (レス) id: f978e26386 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - ななさん» ななさん、(*'ω'*)コメントありがとうございます!そしてお待たせいたしました。先ほどパスを外しました。5は、今編集中ですので、少々お待ちください。初の作品なので、文章がめちゃくちゃでお恥ずかしいですが、楽しんでいただけたら幸いです(*^-^*) (2017年1月26日 15時) (レス) id: 6dbbe70c0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:siori | 作成日時:2016年1月22日 17時