ポインセチアの窓辺 3 -I treasure you-

15.気まずい ページ15

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京子の言うように、どーんと構えているなんて私にはできそうにないけれど、今日は自分の本心をみっくんに言うつもりでいた。
帰ってきてから何か食べたいだろうと思い、簡単なおつまみを作って待っていると、しばらくしてみっくんとちびが帰ってきた。




「ただいま」
「みっくん、おかえり……」
「おぅ」




みっくんは玄関まで迎えに出た私を見ると、ホッとしたように小さく息を吐いた。




「ちび、そんなにくっついたら歩けないよ」




嬉しそうなちびが足に纏わりついてくる。
そしてリビングに入るなり、食べ物の匂いに気づいた様子で鼻をくんくんとさせた。




「あれ？もしかして何か作ってくれた？」
「あ、うん。冷しゃぶサラダと手羽先の甘辛炒め。食べる？」
「マジで？食うに決まってるでしょ！腹減ったわ」




私は作った物を温め直してビールと一緒にテーブルに置いた。みっくんは手掴みで手羽先にかぶりついている。




「これめっちゃうまいよ！」




指先をペロペロ舐めている姿が可愛い。




「そんなに美味しい？」
「Aが作ってくれるんだから、うまいに決まってるだろ」




そう言うと、ビールに合うなって笑った。
いつもは色々話しながらお酒を飲むけれど、今日は何となく気まずくて何から話していいか分からない。
私は美味しそうに食べてくれるみっくんを、ただじっと見つめていた。




「そんなに見られたら、食いにくいって」
「あ、ごめんっ」
「Aは食わないの？」
「食べてるよ。今はみっくんが食べてるの見ていたいから。凄く美味しそうに食べてくれるんだもん」




私はビールを飲むと、冷しゃぶサラダをつまんだ。沢山あった手羽先だけれど、みっくんはペロリと食べてしまった。




「A、うまかったよ。また作って！」
「うん……私、食器洗ってくるね」




私は食器を重ねると、キッチンに運んだ。




「手伝おうか？」
「大丈夫、みっくんは座ってて」




食器を洗っていると、みっくんが近づいてきて後ろからハグをしてきた。
突然の事にビクッと反応してしまう。
それを見て、みっくんは私から離れた。




「A、後でゆっくり話しよ」
「……うん」




話か……

食器を洗ってリビングに戻ると、みっくんはソファに座っていた。








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