14.信じさせて ページ14
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私の事心配して、眠れなかったんだ。
ごめんね……
私はとりあえず汚れた食器を洗い、部屋を片付けた。お風呂も洗っておいてあげよう。
本当は待っていたかったけれど、やっぱりまだ心の準備ができていない。
またみっくんを責めてしまったら……
そう思い、手紙を書いてテーブルの上に置いた。
”みっくん、昨日は飛び出して心配かけてごめんなさい。一方的に責めてごめんね。 A”
彼を想うと胸が苦しい。
「みっくん」という文字を指でなぞってみれば、涙がぽたりと紙に落ちた。
こんなにも好きになっていたんだ……
私は荷物を持ち、彼の部屋を後にした。
自分のマンションに戻ってくると、ポインセチアに水をあげた。それは無事に冬を越し、緑の葉っぱを生き生きと茂らせている。
みっくんと出会った思い出のポインセチアを私はとても大切にしていた。
彼と運命の出会いをしたのは、去年のクリスマスイブの1日前だったっけ。
失恋した私をさりげなく支え続けてくれた。
みっくんは見た目がチャラいし、一見そうは見えないけれど、実は男らしくて包容力の塊だ。
心に傷を負っている結さんがみっくんに頼りたくなる気持ちも、好きになる気持ちも良く分かるんだ。
昨日は混乱してて言い過ぎちゃった。
どんな顔して会えばいいのか分からないよ……
その日の夜、なかなか寝つけないでいると携帯が鳴った。画面にはみっくんの文字。
声が震える。
「……もしもし」
「A、俺だよ」
「みっくん……」
「今日、待っていてくれなかったんだ」
「……」
「明日、店来る?」
「お店はしばらく行かれなさそう……」
「そっか……じゃあ俺の部屋は?待っててくれる?」
言葉に詰まってしまう。
「まだ許してくれてない?俺が嫌になった?」
「そんなわけないよ」
「じゃあ、信じさせて?」
「え?」
「俺のこと好きだって、許しているって……俺に信じさせてよ……」
「……もう許してるよ」
「だったら明日、俺の部屋で待ってて。俺さ、お前に会いたいの。頭おかしくなりそうなくらい……」
そんな事を言われたら、私だって会いたくて堪らなくなってしまう。みっくんの気持ちを聞いて胸がカァっと熱くなった。
「私もみっくんに会いたいよ……」
「うん」
「大好きだもん」
「俺も大好きだよ……」
「明日ね……」
「明日な」
電話は私から切った。
心臓が跳ね上がる。
みっくん……
明日ちゃんと話そう。私はそう心に決めた。
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siori(プロフ) - 美月さん» 美月さん、初めまして!何回も読み返して下さっているなんて感激ですっ(涙)ポインセチアは私の初作品なのですが、文章が酷くちょっと手直ししています。終わったものから必ず外しますので少々お待ちくださいっ。外したらお知らせがいくようにしておきますね! (2021年2月12日 9時) (レス) id: dd09f4ba27 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 初めまして。sioriさんの作品の大ファンです!!何度も読み返してキュンキュンしています(^^)中でもポインセチアの窓辺は、大好きな作品です!!パスが外れるのを楽しみにお待ちしております!! (2021年2月11日 8時) (レス) id: 0eb5a1c4e3 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - ななさん» ななさーん、そんなに読んでくださっているなんてっ(;´∀`)ありがとうございますっ。感激……ポインセチア5も、なるべく早くパスを外せるようにしますね!ありがとうございました(*^-^*) (2017年1月28日 8時) (レス) id: 6dbbe70c0b (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 先程、白万重の想い出を読み終え、あとはポインセチアの窓辺でsioriさんのお話制覇…読破?!と思っていたところで新作もありますし、続きを読めるのはもっとずっと先だと思っていたのですごく嬉しいです。じっくり読ませていただきます。ありがとうございました (2017年1月28日 0時) (レス) id: f978e26386 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - ななさん» ななさん、(*'ω'*)コメントありがとうございます!そしてお待たせいたしました。先ほどパスを外しました。5は、今編集中ですので、少々お待ちください。初の作品なので、文章がめちゃくちゃでお恥ずかしいですが、楽しんでいただけたら幸いです(*^-^*) (2017年1月26日 15時) (レス) id: 6dbbe70c0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:siori | 作成日時:2016年1月22日 17時