Birthday６ ki ページ42
.
マンションに帰って来た時には、すで
に０時を過ぎていた。
店まで行くだけのつもりだったから、
財布だけ持ち、スマホをテーブルに置き
忘れて来たことに気づいたのは、美咲を
家に送る時だった。
玄関に入ると、下駄箱の上に何か置い
てあることに気づく。
鍵？
手にした鍵には、ゴールドのリボンが
結んであった。一緒に置いてある紙を広
げると
―――――――――――――――
ミツ、Happy Birthday！
パーティー会場には、この鍵を使
ってお越しください。さて、場所
はどこでしょう？
たくさんのありがとうをミツに！
ミツが大好きです！
フキ ・ A
―――――――――――――――
えっ？
慌てて部屋に入り携帯を見ると、たく
さんの着信と、１件のラインが入ってい
た。
最後のラインは……今日、いや、昨日
の２３時５８分。
＞ミツ、どこにいるの？もうすぐ誕生日
終わっちゃうよ
Aっ
居てもたってもいられなくて、急いで
鍵を掴むと、俺は部屋を飛び出した。
気ばかり焦り、鍵を持つ手が震えて、
うまく鍵穴に差し込めない。
その時、ガチャリと音がして、ドアが
内側から開いた。
「ミツ」
「ごめんっ、俺、今日スマホ家に忘れて
出かけてっ」
「ううん、もっと早く言っておけば良か
ったのかな。でも驚かせたくて……」
「ごめん」
罪悪感に、胸が押しつぶされそうだった。
「ミツ……もう終わっちゃったけど、誕
生日おめでとう」
「……ありがとな」
「フキちゃん、いるんだよ」
「えっ、フキが？」
部屋に入ると、壁には様々な手作りの
装飾がしてあった。フキが描いたんだろ
う、バルーンに描かれた俺の顔がこっち
を見ている。
テーブルの上には、”３１”のナンバー
キャンドルが刺さった、大きいロースト
ビーフが置かれている。
フキは、Aのベッドでぐっすり眠
っていた。
今日、フキと一生懸命用意してくれて
いたのか……それなのに俺は――
俺は、Aの身体を抱きしめた。
「悪かった……」
「フキちゃん、ずっと待ってたの。寝た
の少し前なんだ。お父さんには、今日
泊まりますって連絡いれたから大丈夫
だよ」
「そっか、ありがと……」
腕の中のAが、俺を見上げた。
「ミツ……何してたの？ミツから香水の
匂いする……」
俺は――……、最低な男だ。
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siori(プロフ) - Mielさん» Mielさーん、こんにちは！そうですね、今ちょうど辛いんですっ(T_T)フキちゃんほんと可愛いですよね、私の癒しです！移行しましたので、どうぞ♪ (2017年10月1日 15時) (
レス) id: a482fb1278 (このIDを非表示/違反報告)
Miel(プロフ) - sioriさんこんにちは。やっと読めました。最後のほうはちょっとツラくて泣きました。フキちゃん可愛いな。いろんなこと考えてるんだなって…。みんなが幸せになれるといいな…。続きも楽しみにしています。 (2017年10月1日 12時) (レス) id: 5ce7b7cc41 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みっくん大好きえみこさん» 今ちょうど見てて(笑)私もできれば優しくしたかったので、おっしゃってくださり助かりましたぁ！えみこさんありがとうございますっ(^▽^;)ミツに浮気させちゃってごめんなさいっ(;^ω^)いつも辛い話を最後までありがとうございます！頑張りますね！ (2017年9月29日 19時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
みっくん大好きえみこ(プロフ) - sioriさん、今 読みました。ミツの電話、少し優しくしてくれたんですね、ありがとうございます。少し気持ちが救われました。でも、なんか…申し訳なかったですね(^^; (2017年9月29日 19時) (レス) id: d81176af93 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みんさん» みんさーん、ありがたいことですぅ〜！楽しみにしてくださってとてもうれしい！拙いながらも頑張らせていただきますね！(*´▽｀*) (2017年9月29日 18時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2017年9月6日 14時
