膝枕 ページ27
．
「気持ちいい……」
「そう？」
「おまえといると落ち着くし、優しい気
持ちになれるっつーか……この太もも
がたまんねーな」
「やだっ」
「ふふっ、ぷにぷにしてて可愛いじゃん」
私を見つめるミツの双眸……。
ミツの手が、私のほっぺに優しく触れ
て、彼は少し起き上がると、優しいキス
を一つくれた。
「ねぇ、ミツ」
「ん？」
「明日、ニカちゃんと”紀成”に行くんだ」
「あー、俺はあの店嫌い」
「でも、ホルモニアンの聖地だよ？」
”紀成”というのは、ホルモン好きにと
って聖地と言われている超有名店だ。
「そういう風に言われてる店に限って、
ろくでもないぜ？それにあんな怖ぇー
オヤジがいる店になんて入れっかよ」
怖いオヤジって……(笑)
ミツだって初対面の時、相当怖かった
のにね。
ミツはその店に興味もないのか、ふぁ
〜と一つ欠伸をした。
こうしてミツを膝枕して、たわいもな
い話をしている時間は、私にとって至福
の時間だった。
長いまつげや、すべすべのほっぺ。柔
らかそうな唇をじっと見つめることがで
きるから。
私が髪を撫でていると、ミツの目がだ
んだんとろんとしてくる。
可愛い……
そしてそのうちに、静かな寝息をたて
て寝てしまった。
「ミツ……寝ちゃったの？」
「……」
「ねぇ、ちゃんとベッドで寝よ？」
「うん……」
外から、唸るような風と、叩きつける
ような雨の音がする。ガタガタと揺れる
窓ガラスが、時々割れそうな音をたてた。
「すげぇーな……風」
「ちょっと怖い……」
「大丈夫。明日の朝には晴れてるよ」
ベッドに横になると、ミツが私に腕枕
をしてくれた。ミツの胸に腕を回し、そ
の胸に頬を寄せる。
私はミツの胸に頬を寄せるのが好きだ
った。彼の鼓動が聞こえ、とても安心す
るから。
「ミツといると安心するの」
「俺も、おまえといると安心するよ」
「ねぇ、やっぱり何かお店であったの？」
「ないよ」
「――本当に？」
「ああ、ほんと……何だよ急に」
「そう……それならいいんだ。変なこと
聞いてごめんね」
「いや、いいよ。もう寝よう――な？」
「うん……おやすみなさい」
「おやすみ」
「A……好きだよ」
ミツはそう言い、私の髪に唇をつける
と、ギュっと優しく抱きしめてくれた。
．
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siori(プロフ) - Mielさん» Mielさーん、こんにちは！そうですね、今ちょうど辛いんですっ(T_T)フキちゃんほんと可愛いですよね、私の癒しです！移行しましたので、どうぞ♪ (2017年10月1日 15時) (
レス) id: a482fb1278 (このIDを非表示/違反報告)
Miel(プロフ) - sioriさんこんにちは。やっと読めました。最後のほうはちょっとツラくて泣きました。フキちゃん可愛いな。いろんなこと考えてるんだなって…。みんなが幸せになれるといいな…。続きも楽しみにしています。 (2017年10月1日 12時) (レス) id: 5ce7b7cc41 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みっくん大好きえみこさん» 今ちょうど見てて(笑)私もできれば優しくしたかったので、おっしゃってくださり助かりましたぁ！えみこさんありがとうございますっ(^▽^;)ミツに浮気させちゃってごめんなさいっ(;^ω^)いつも辛い話を最後までありがとうございます！頑張りますね！ (2017年9月29日 19時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
みっくん大好きえみこ(プロフ) - sioriさん、今 読みました。ミツの電話、少し優しくしてくれたんですね、ありがとうございます。少し気持ちが救われました。でも、なんか…申し訳なかったですね(^^; (2017年9月29日 19時) (レス) id: d81176af93 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みんさん» みんさーん、ありがたいことですぅ〜！楽しみにしてくださってとてもうれしい！拙いながらも頑張らせていただきますね！(*´▽｀*) (2017年9月29日 18時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2017年9月6日 14時
