予感 ページ26
．
唸りながら窓を叩く風の音に混じり、
バラバラと強い雨の音がする。時計を見
ると０時になろうとしていた。
窓を叩く雨風に、何となく気持ちが落
ち着かない。
ミツはまだお店にいるかな……
彼にラインをしようとした時だった。
隣のドアが閉まる音がして、部屋から
微かに物音が聞こえてきた。
あ……帰ってきた？
今日は早くお店閉めたんだ。こんな天
気じゃお客さんも来ないだろう。きっと
シャワーを浴びていると思い、少し待っ
てから電話をかけることにした。
それから３０分が過ぎ、コーヒーを淹
れていると、私のスマホが震えた。
「もしもし」
『あ、俺だけど……今、仕事してんの？』
「ううん、部屋でまったりしてるよ。ミ
ツが帰ってきた音がしたから、会いた
いなぁって思ってた」
『俺も……』
「……うん」
『俺も会いたい……』
あれ？何だか様子がいつもと違う？
「ミツ？」
『ん？』
「どうしたの？何か……あった？」
ミツの様子が変だった。彼の声からな
ぜかそう感じ、咄嗟に私は聞いていた。
一瞬の沈黙の後……
『別に……何で？』
「ううん、何となく」
『――今から来てよ……』
「だけど、明日も仕事でしょ？」
『そうだけど、何だか疲れちゃって……
おまえの顔が見たい……』
そんなこと言われたら、私だってミツ
に会いたくてたまらなくなる。
「わかったっ、すぐ行くね」
『A……早く来て……』
電話越しにミツの掠れた声がして、電
話はミツから切れた。隣だからいいか？
私は急いで、スウェットのまま部屋を出
た。
インターフォンを押すと、すぐにドア
は開き、ミツが玄関まで出てきてくれた。
「入れよ」
「うん」
ふわりと笑ったミツが、ひどく疲れて
いるように感じ、忘れていたはずの感覚
が甦る。
やっぱり今日、何かあったの……？
漠然とした不安を覚え、ドクンと心臓
が音をたてた。
「すげぇよな、台風。やられたわぁ」
ミツは部屋に入ると、どっかりとソフ
ァに座り、自分の横をぽんぽんと叩いた。
「A、おいで」
「うん……」
「膝枕して……」
ミツはソファに横になり、私の膝に頭
を乗せた。洗い立ての髪がふわふわで、
ふわっと甘い香りが漂う。
「ふふっ、ミツの髪、柔らかーい」
私は、柔らかい髪を優しく撫でた。
．
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siori(プロフ) - Mielさん» Mielさーん、こんにちは！そうですね、今ちょうど辛いんですっ(T_T)フキちゃんほんと可愛いですよね、私の癒しです！移行しましたので、どうぞ♪ (2017年10月1日 15時) (
レス) id: a482fb1278 (このIDを非表示/違反報告)
Miel(プロフ) - sioriさんこんにちは。やっと読めました。最後のほうはちょっとツラくて泣きました。フキちゃん可愛いな。いろんなこと考えてるんだなって…。みんなが幸せになれるといいな…。続きも楽しみにしています。 (2017年10月1日 12時) (レス) id: 5ce7b7cc41 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みっくん大好きえみこさん» 今ちょうど見てて(笑)私もできれば優しくしたかったので、おっしゃってくださり助かりましたぁ！えみこさんありがとうございますっ(^▽^;)ミツに浮気させちゃってごめんなさいっ(;^ω^)いつも辛い話を最後までありがとうございます！頑張りますね！ (2017年9月29日 19時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
みっくん大好きえみこ(プロフ) - sioriさん、今 読みました。ミツの電話、少し優しくしてくれたんですね、ありがとうございます。少し気持ちが救われました。でも、なんか…申し訳なかったですね(^^; (2017年9月29日 19時) (レス) id: d81176af93 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みんさん» みんさーん、ありがたいことですぅ〜！楽しみにしてくださってとてもうれしい！拙いながらも頑張らせていただきますね！(*´▽｀*) (2017年9月29日 18時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2017年9月6日 14時
