意図 ki ページ24
．
「僕、１０月いっぱいまでは引継ぎのた
めに会社にいますので、また夜にでも
一杯飲みに来ますね！北山さんのホル
モンは絶品ですから」
「山田くん、今までありがとね」
「そんなっ、こちらこそですよ！」
山田くんは、時々うちの店にも来てく
れていた。そういえば、忙しい時に手伝
ってくれたこともあったな……
「宮田さんも、ありがとうございました」
「寂しくなるわぁ」
「いやぁ、僕もですよ」
山田くんが宮田と話し込んでいるとき
だった。美咲が俺のところにやってきた。
「宏くん……怒ってる？」
「え？」
「私が担当になったこと」
「美咲、俺……もう美咲とは会うつもり
なかっ――
「言わないでっ」
言葉をさえぎり顔を歪めると、唇を噛
みしめて、下を向いてしまった。
「お願い……」
肩がわずかに震えている。
「あの……さ、どういうつもりか知らね
ぇけど、俺、美咲が担当ってのは……
正直困るから……部長に言って変えて
もらってよ」
「……どうしてっ？」
「俺、今……彼女いんだよ」
今言うことじゃないかもしれないが、
つい口にした俺に、美咲は驚いて顔を上
げた。
「えっ……嘘……」
「嘘つく理由ねーじゃん」
「……ねぇ……誰？」
「美咲には関係ないよ」
「……宏くん、もうすぐ誕生日だね」
俺から目を逸らし、美咲が呟いた。
「毎年私とお祝いしてたね……今年は彼
女にお祝いしてもらうの？」
「美咲に言う必要あんの？」
「……だっ
「田辺さーん、そろそろ行くよー！雨が
酷くなってきたから急がないと」
「あ…、はい」
美咲が何か言いかけたとき、山田くん
が彼女を呼んだ。
「今日は、後３軒回らないといけないん
です」
彼は時計を見て、苦笑いした。
いったい俺はどんな顔をしていたんだ
ろう？二人が帰ると、宮田がコップを持
って心配そうに話しかけてくる。
「ねえ、顔色悪いけど大丈夫？水飲む？」
「あぁ、わりぃ」
「美咲ちゃんが担当になるの？」
「そうみたいだよ」
「Aちゃんには……」
「Aに……心配かけたくない」
「言わないつもり？」
「あいつには何も言わねぇーよ」
別れたって知った時、確かに動揺はし
たけれど、俺なりに、気持ちの区切りを
つけてきたつもりだった。
それなのに――
何で今更？
俺の前にあらわれんだよっ……
．
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siori(プロフ) - Mielさん» Mielさーん、こんにちは！そうですね、今ちょうど辛いんですっ(T_T)フキちゃんほんと可愛いですよね、私の癒しです！移行しましたので、どうぞ♪ (2017年10月1日 15時) (
レス) id: a482fb1278 (このIDを非表示/違反報告)
Miel(プロフ) - sioriさんこんにちは。やっと読めました。最後のほうはちょっとツラくて泣きました。フキちゃん可愛いな。いろんなこと考えてるんだなって…。みんなが幸せになれるといいな…。続きも楽しみにしています。 (2017年10月1日 12時) (レス) id: 5ce7b7cc41 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みっくん大好きえみこさん» 今ちょうど見てて(笑)私もできれば優しくしたかったので、おっしゃってくださり助かりましたぁ！えみこさんありがとうございますっ(^▽^;)ミツに浮気させちゃってごめんなさいっ(;^ω^)いつも辛い話を最後までありがとうございます！頑張りますね！ (2017年9月29日 19時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
みっくん大好きえみこ(プロフ) - sioriさん、今 読みました。ミツの電話、少し優しくしてくれたんですね、ありがとうございます。少し気持ちが救われました。でも、なんか…申し訳なかったですね(^^; (2017年9月29日 19時) (レス) id: d81176af93 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - みんさん» みんさーん、ありがたいことですぅ〜！楽しみにしてくださってとてもうれしい！拙いながらも頑張らせていただきますね！(*´▽｀*) (2017年9月29日 18時) (レス) id: 031c2bcb7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：siori
| 作成日時：2017年9月6日 14時
