21.しつこい者同士 ページ21
・
北山さんの書に感動した私は、次の日の夕方に彼の家に突撃訪問した。
ピンポーン
このインターフォンを押すのは何回目だろう
あれ？留守かな……
またコンビニに行ってるのかも。
そのまま耳を澄ましていると微かに人が動く気配がした。
「桐谷です」
『……』
無言ですか。
「あのっ、北山さんの書の実物見てきました！」
無視ですね。
「私、すごく胸に響いちゃって……少しだけでいいので、お話し聞いていただけませんか？」
はいっ、想定内です…
だけど、さすがに心が折れそうになる。
「宅急便でーす」
もうっ！出てきてくれるまで絶対に諦めないから！
『荷物はいりませんから持って帰ってください』
「北山さんっ！いるんじゃないですかっ！」
『だから持って帰っ、』
「私、会ってくれるまで帰りませんから！」
『桐谷さん、しつこい』
「しつこいのが取り柄ですから！でも北山さんだってしつこいですよ！」
『俺が？なんでだよ』
「いつまでもしつこく会うのを拒むじゃないですか！」
『それって屁理屈じゃない？』
「私出てきてくれるまで、ずーっとここから動きませんから！」
『あっそ、ご自由に』
ブチッ！
インターフォンの切れる音。
もうっ！こうなったら絶対に帰らないから！
私を舐めるなよ！
ポツン……
あれ？雨…
ポツン、ポツン
そのうちに雲行きが怪しくなり雨が降り出した。
ドラマではこういう時はさ「あんたもなかなかやるなあー、あんたには負けたよ」とか苦笑いしながら出てきてくれるよね？
ねえねえ、北山さん雨が降り始めましたよ。
私、濡れてまーす！
チッ！
思わず舌打ちが出た時、玄関ドアが開いた。
と同時に、傘を持って出てきた北山さんのジャージ姿に釘づけになる。
「北山さん……そのジャージ……なんで黄色？」
私が指摘すると、ハッとして真っ赤になってしまった。
もしかしてこの間、私が言ったこと気にしちゃいました？それで黄色も買ったんですか？
だけど、赤と黒のローテに黄色が加わって赤黒黄のローテーションになっただけじゃないですか。
「フフッ……」
どうしようっ……可笑しくてニヤニヤが止まらない。
「やっとお話し聞いてくれる気に、」
「はぁ？これから夕飯の買い物だけど」
「あっ！待って！」
私の横をすり抜けようとする彼の腕を掴んだ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1222人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさん、お返事遅れてごめんなさーい！また来てくださったなんて感激です！星も嬉しいです。また書道やってほしいですね！ (2021年3月3日 19時) (
レス) id: ad892650f9 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 久しぶりに書道家の北山さんに会いたくなって来ました。いいね☆していなかったみたいでごめんなさい！右☆をポチッとさせて頂きました！ (2021年3月1日 0時) (レス) id: a0721de2a5 (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさーん！お待たせしました！パス付きの方は夜には外せると思います！遅くなってごめんなさい！ (2020年7月5日 16時) (レス) id: 05c0397959 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - ありがとうございます。明日明後日にはと仰っていたのでずっっと楽しみにしていました！これから読めるのが楽しみです。 (2020年6月5日 1時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
siori(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさん、お待たせしましたー！2のパスワードを外しましたのでお知らせします。大好きと言って下さり感無量です！涙 (2020年6月5日 1時) (レス) id: f587e16f89 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：siori
| 作成日時：2016年6月4日 13時
