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通学路はいつも以上に真っ暗で、
いつもはみんなと帰るからなんかちょっと静か。
あー明日侑くんに謝らなあかんな……
私も怒りたくて起こった訳やないんやけど……
「……な!……椎名!」
『え!?治くん?』
治「なんで先帰るん。危ないやろ」
『え、気まずいから……。引いたやろ?』
治「全く、むしろスカッとしたわ〜あのツムの顔笑 傑作!」
『引かないの?だって、なんかみっともなかったやん!』
治「むしろあれで今まで怒らんかった椎名がすごいで。」
治くんは私に"ようやった!"と言って頭を撫でた。
あの後、侑くんは北さんに怒られたくらいに凹んどったらしくて
急にしょぼくれモードやったらしい。
なんか申し訳なさ出るわ、ほんま……
そんな話をしていると治くんは着いてきて送るなんて言ってくれた。
スーパー行くけどと言えば荷物も持つで!なんて
大サービスまで……
『あんな怒ったん、久しぶりで……申し訳ないわ。』
治「まあ確かに入学してから初めて見た。
いつも侑のあの非常識な言葉にも無心やもんな〜レアや」
『私さ、あるライン越えるとあーなるの。
それでコントロールできなくて涙も出てくる。』
治「まあ、普段怒鳴らん人はそうやろ。それだけ優しいってことや。」
『……もう、せんから友達やめんでな?』
治「何言うてんねん笑」
治くんは"やめん"って言って笑ってくれた。
正直私はあの瞬間嫌われたと思った、というか過去にあった。
それがトラウマでもあったから尚更やばいって思って、
あの場から逃げてみんなを置いて帰った。
スーパー内で何度もネガティブになりながらも
治くんと一緒に明日のお弁当のおかずを買ってった。
『治くん今日はありがと、あとごめんね?』
治「ええで、ツムのことは気にせんでええから。な?」
『でも、明日一応謝る。』
治「真面目やな笑 明日俺はお弁当楽しみにしとるでな!」
『うん!楽しみにしとって。じゃあおやすみ、明日ね!』
治くんの帰る背中に手を振って見送った。
帰るの遅れちゃったな、治くんのお母さんすみません。
まあ、私は一人暮らしやから関係ないんやけど……
あ、ちゃうで!親と仲悪いとかそう言うんちゃうくて
ただあのー親転勤するからって私が残っただけやねん。
私こっちのが好きやし、りかもおるからね。
『あぁ明日は朝一で謝ろう……って明日朝練ないやん。』
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作者名:ビト | 作成日時:2023年4月2日 21時