△108話 ページ18
理事長室についた私たちは黒百合の人たち…あの三人のことを聞いた
「『黒百合…三将?』」
「博士が実験的に生み出した、世界の猛者たちのクローンじゃい」
「やはり…」
「その戦闘力は並の武将の数十倍。わしとて初めて見たわ」
「しかし、なぜあの方たちは家康君を?」
「恐らくは…あの男の差し金」
『あの男?差し金?』
「……まさか!」
「家康自身もきっと気づいておるじゃろ。いや〜…しかし、家康と信長の一騎打ちも楽しみじゃったが、代わりに別の楽しみが増えたのぉ」
「…は?」
「勝負の刹那に吹く予期せぬ風…これぞ、戦国!」
「一体、あなた方はどこまで!」
「君がどう思おうと…変われんよ。ヤツらは戦うべくして生まれたんじゃ」
「…何をすべきかを決めるのは、彼ら自身でございます!」
そう言いみやびちゃんが出ていった。私も出よう
「待て。桜木くん」
『…なんでしょう?』
「少し、昔話をしないかね?」
『…はい?』
「君の……父親について」
父親…お父さんのことか?なぜ?というか、理事長はお父さんを知っているの?
「なぜ、わしが君の父親を知っているのか…そんな顔をしておるな?」
まずい…頭がまた痛くなってきた
どうしたら…どうしたらいいんだ?この状況
「頭が痛くなってるかね?…フフフ、あの男もバカなものじゃな。自分の娘に何も伝えずとは…」
『何が言いたいんですか…?貴方は、貴方は…』
「フフフ、なら教えてやろう…桜木A、君の記憶は書き替えられておる。否…消されているとでも言っておこう」
『…私の記憶?』
「君の父親が消したのだよ。可笑しいと思わんかね?幼少の記憶が、すっぽり抜け落ちてるような感覚がたまに訪れんかね?」
幼少、思い出してみる…分かんない。どうして?思い出そうとすればするほど更に頭が痛くなってくる
「そうやって思い出そうとしても、どうしても思い出せないのが一人おるじゃろ?」
『……お母さん』
「あの男は君の中から母親の記憶を消しておる。フフフ…何故でしょう、か?」
『な、なぜ…?あ"っ、痛いっ…!』
「…その様子だと、あともう一息というところかね?」
『貴方は…本当は、何者なの?』
「…まだ潮は満ちとらん、さぁ行け。話は終わった」
潮…つまり、答えるべきは今じゃない…と
私は痛む頭を抑えて、足早に理事長室を去った
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a-ya(プロフ) - 私はこの作品が大好きです!もう更新されないのでしょうか…🥺 (10月15日 19時) (レス) @page26 id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
オタくん(プロフ) - なんか懐かしく感じます!更新待ってます!! (8月7日 14時) (レス) @page26 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
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